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まるで『名探偵コナン』…遂に誕生した万能「変声機」の凄さと怖さ

3/26(火) 10:00配信

現代ビジネス

『名探偵コナン』のアノ発明品が現実に

 もはや国民的アニメと呼んでも良いだろう『名探偵コナン』。その中でお馴染みなのが、主人公・江戸川コナン(実は高校2年生の工藤新一が、悪の組織によって小学1年生に変えられてしまった姿)が私立探偵・毛利小五郎の体を借りて事件の真相を暴くシーンだ。

 コナンは彼を睡眠薬で眠らせると、胸に付けた「蝶ネクタイ型変声機」を使って、自分の声を毛利小五郎そっくりに変換する。そして自らつきとめた事実を語って、問題を解決するのである――あたかも毛利小五郎が事件の謎を解いたかのようにして。

 もちろん名探偵コナンはフィクション作品だが、多くのフィクション作品と同様に、劇中に登場するテクノロジーに現実のテクノロジーが追い付こうとしている。そう、この蝶ネクタイ型変声機さながらの「声の変換」を実現する技術が登場しているのだ。

 まずはこちらのデモ映像をご覧いただこう。

 45秒という短い映像だが、登場する男性の声がリアルタイムで変換され、女性のようになったり、別の男性(しかも映像内の男性より明らかに若い少年)のようになったりするのがわかるだろう。

 特に15秒からの声に注意してほしい。この声に聞き覚えはないだろうか? そう、オバマ前米国大統領の声だ。コナンの蝶ネクタイ型変声機と同様に、特定の人間の音声を完璧にコピーできるのである。

 映像内にテロップが出ているが、この男性はMike Pappasといって、『Modulate』というスタートアップの創業者兼CEOである。当然ながらこの技術も、彼の会社が開発したものだ。Modulateのホームページには他にも簡単なサンプルがあるので、興味のある方は確認してみてほしい。

 声のトーンをランダムに上げ下げしたり、あるいは一定のトーンにしたりして、自分ではない声にするという技術は、もちろんこれまでも存在していた。Modulateが画期的なのは、特定の人物の声へとリアルタイムで変換する技術を、誰もが利用できるサービスとして展開しようとしている点だ。

 同社によれば、訓練用のデータが十分にあれば、誰の声でもコピーできるそうである。江戸川コナンは毛利小五郎の探偵事務所に居候しているという設定なので、仮にコナンがModulateに変声機の制作を依頼したとしたら、十分なデータを取ってこられるだろう。

 このように、自分や誰かの声を任意に変化させることを「音声モーフィング」と呼び、いまAI技術をこの分野に応用しようという取り組みが盛んになっている。

 そしてModulateがこのサービスを実現するのに活用したのが、「GAN(Generative Adversarial Networks、競争式生成ネットワーク)」と呼ばれる最新のAI技術だ。

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最終更新:3/26(火) 10:00
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