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サスペンスだけではない「水谷豊監督」の最新作

3/26(火) 5:40配信

東洋経済オンライン

 「子どもの頃からずっと自分が観客でした。観客として観てきた、たくさんの映画に心を動かされて、いまの自分がいる。自分が映画を作る時も、そうできればいいなと思っていました」――。5月10日に全国公開予定の映画『轢き逃げ 最高の最悪な日』のメガホンをとった俳優・水谷豊は、映画に対する思いをそう語る。

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 水谷豊監督作第1弾となる映画『TAP THE LAST SHOW』は2017年6月に公開。それから2年の時を経て第2弾の監督作が公開されたわけだが、その間も、半年近くにわたって放送される『相棒』のテレビシリーズや、時代劇の「無用庵隠居修行」シリーズなどに出演。俳優として多忙を極める中での公開だ。しかも脚本も自身が手がけたということで、本作に対する思い入れも非常に強いものがあるのだろう。

 本作の物語は、とある地方都市で起こった“轢き逃げ”事件から始まる。車を運転していた青年・宗方秀一(中山麻聖)と、助手席に乗っていた親友・森田輝(石田法嗣)は、秀一の結婚式の打ち合わせに遅刻して焦るあまり、裏道を抜けようとしたが、そこで1人の女性の命を奪ってしまう。

■轢き逃げ事件から始まるサスペンス

 しかし周囲には人気がなく、気が動転した彼らは、あろうことか逃走してしまう。彼らの平穏な日常は一瞬にして崩れ去ってしまった。物語は、秀一と輝に加えて、秀一の婚約者である大手ゼネコン副社長の娘・白河早苗、悲しみにくれる被害者の両親・時山光央と千鶴子、その事件を追うベテラン刑事・柳公三郎と新米刑事・前田俊ら周囲の人物たちの思いを織り交ぜながら、大きなうねりを見せていく――。

 監督デビュー作『TAP THE LAST SHOW』を撮り終えた水谷監督は、プロデューサーたちと「次回作は何がいいだろう」という話をしていたが、「水谷流のサスペンスが観てみたい」という話になり、本作の構想が生まれたという。

 だが、サスペンスとは言いながらも、事件の真相を刑事が解き明かすような作品ではなく、「轢き逃げ」という悲劇に向き合うことになった7人が、どのように自分に折り合いをつけるのかを描き出した人間ドラマとなった。

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