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Twitterが話題騒然のベテラン裁判官が語る、劣化しきった裁判所の教育事情とは

3/26(火) 6:00配信

週プレNEWS

──それほど重要なカリキュラムが廃止された原因はなんだったのでしょう。

岡口 これには司法制度改革が大きく関係しています。司法試験の合格者が増加したことでキャパシティオーバーとなり、司法研修所での要件事実教育は廃止せざるをえなくなってしまったんです。

加えて、司法研修所での教育期間そのものが短くなったことも、裁判官の劣化に関わるいち要因となっています。以前は2年間みっちり勉強できたのですが、今はロースクールで2、3年間学ぶことになったため、司法研修所での勉強期間は1年に短縮されたのです。

ただ、最近ではロースクールに行かずに済む予備試験ルートからも多くの司法試験合格者が出ていますから、ロースクールという選択肢はもう必要ないという声も法律家からは多く出ています。

──あと、飲み会で先輩裁判官による口頭伝承が盛んに行なわれていたことにも驚きました。

岡口 昔は仕事終わりによく飲み会を開いて、そこでベテランの裁判官や書記官たちが、若手に要件事実を的確に書くスキルなどを熱く説いていたんです。若手はメモも取らずにひたすら頭にたたき込んでいました。

まるで生き字引のような有能な先輩裁判官によって伝えられる「智」は、裁判所が戦後数十年をかけて築き上げてきた知的財産ですが、これが今はどんどん失われてしまっているんです。

──時代の流れなんでしょうけど、そこには決してマニュアル化できない工夫や知恵が盛り込まれていたんですね。

岡口 そういうことです。同時にそういった先輩方の中には、司法の本質論や役割論について強い問題意識を持ち、司法のあるべき姿を語ってくれる人たちもたくさんいました。

そして、彼らの中には司法のあるべき姿を考える「全国裁判官懇話会」という会に参加している人もいましたが、裁判所当局による明らかな差別人事を受けるなど、一方的な迫害を受けていました。

このような経緯を知っているベテラン裁判官も多いため、今はあえて司法の本質論や役割論を口頭で説くことが避けられるようになったともいえます。

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最終更新:3/26(火) 6:00
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