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香川真司は「控え組のリーダー」に甘んじるのか? クラブでもいまだ信頼薄く…30代は前途多難

3/27(水) 10:10配信

フットボールチャンネル

 日本代表は26日、親善試合でボリビア代表と対戦した。ロシアワールドカップ以来となる代表復帰を果たしたMF香川真司は、この試合で先発起用された。しかし、68分間の出場でシュート本数は0を記録するなど不本意な結果に終わった。30代となったかつての主軸に復活の可能性は残されているのか。(取材・文・元川悦子)

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●自らが下がった直後にNMDで決勝点という皮肉

 2018年ロシアワールドカップ組の宇佐美貴史、乾貴士が左右のサイドに入った26日のボリビア戦。森保一監督率いる新生ジャパンで初先発したキャプテン・香川真司にとって、慣れた選手たちとのプレーはやりやすいはずだった。

 けれども、序盤からボリビアの強固な守備ブロックを攻略し切れず、ゴール前に顔を出せない状況が続く。小林祐希と橋本拳人の新ボランチコンビの連係不足もあって下がりながらサポートに行く回数が多く、下がって受ける最前線の鎌田大地とも動きが重なるなど、思うようにならない場面が目立った。

 共演経験の少ない選手が前後に陣取る難しさに加え、ベシクタシュ移籍後まだ90分フル出場した試合が1つもない香川自身も持久力やキレ、鋭さが戻っていない。こうした数々のマイナス要素が絡み合って、「68分間・シュートゼロ」という不本意な現実を突き付けられ、ピッチを去ることになってしまった。

 自身が下がった8分後に中島翔哉、南野拓実、堂安律の3人が絡んだカウンターから決勝点が生まれたのは、何とも皮肉な結果と言うしかない。

「前半からスペースがない中で間で前を向いて攻撃の起点になっていたし、僕がそこに入ってできないことを真司君はやっていた。彼らが相手を揺さぶってくれたことでゴールを決めることができた」と南野は先輩かつライバルの香川を慮ったが、中島、南野、堂安の圧倒的推進力が森保ジャパンに不可欠なことを、背番号10自身も改めて痛感させられたことだろう。

「(長谷部誠や本田圭佑ら)年上の選手がいないということで、今まで見ていた景色とはガラリと変わったところがあった。当たり前にいた人たちの存在感がとてつもなく大きかったんだなと非常に感じました」と試合後の香川は神妙な面持ちでコメントした。

●森保一監督が時間を与える保証は…

 確かに、彼が主力に定着した2010年南アフリカワールドカップ以降は長谷部や遠藤保仁が後ろから確実にフォローしてくれ、本田や大迫勇也もタメを作って香川を前向きな状態でプレーさせてくれたから、ゴール前で脅威になれた。

 しかし、自分が年長になった今は周りの若い力を生かしながら自身の生きる道を見つけなければいけなくなった。だが、残念ながら、今回の3月2連戦のわずかな時間で具体的な解決策は見出せたとは言い切れない。

「翔哉や律の仕掛ける姿勢はチームの武器になっているし、それはこの半年間で積み上げたもの。そのストロングにうまく違うものを付け足していきたい。今回は結果として生まれなかったですけど、継続してやり続けるしかない」と本人は長い目で取り組んでいくべきだと考えていたが、選手起用の序列がハッキリしている森保監督がそこまで多くの時間を香川に与える保証はないだろう。

 背番号10としてはこの先、中島、南野、堂安との連係を深めていきたいところだろうが、今回の2試合で堂安、南野と組んだ時間はほんのわずか。中島とはコロンビア戦で25分ほど共演時間が与えられたものの、コンビを確立するまでには至らなかった。

 今後、指揮官が中島ら3枚をユニットで起用するケースがさらに増えると見られるだけに、香川にとっては本当に厳しい環境だ。南野の対抗馬となるトップ下の最適な人材が見つからないため、しばらくは招集され続ける可能性はあるものの、このままだと「控え組のリーダー」という位置づけに甘んじてしまいかねない。国際Aマッチ97試合出場31ゴールという圧巻の実績を誇る30代アタッカーがそのポジションにとどまっていていいはずがない。

●指揮官は辛辣評価。クラブでも信頼は薄く…

 こうした苦境を打開するためにも、自身のパフォーマンスを絶好調時に近づけることがまずは重要になってくる。ベシクタシュでは今季終盤8試合が残されていて、その全てにフル出場できれば、6月のコパ・アメリカに向けても好材料だろう。

 けれども、シェノール・ギュネシュ監督にとってトップ下のファーストチョイスは依然としてセルビア人MFアデム・リャイッチであり、香川に対しては「体力面で問題を抱えている」と指摘する。

 3月16日のギョステペ戦では待望の2人の共演が実現したが、トルコの名将は「攻撃面であまり効果がなかった」と厳しい評価を下している様子だ。となると、リーグ終盤戦も2人はポジション争いをする可能性が高く、香川のプレー時間が増えるとは限らない。

「今回の代表2試合で感じた課題をしっかりと整理して、トルコでやり続けて夏まで行きたい。どれだけ自分の強みを引き出せるかにこの2カ月、特にこだわっていけば、結果は自然についてくる」と彼自身は前向きに話したが、トルコで目覚ましい成果を残さなければ、中島、南野、堂安との融合も、3年後のカタールワールドカップへの生き残りも遠のいてしまう。

 約9カ月ぶりの日本代表復帰で自身の厳しい立場を再認識した香川真司がどのような巻き返しを図っていくのか。まだ完全に不要と判断されたわけではないだけに、ここからが真の勝負と言っていい。30代に入ってから明確な結果を残した長谷部や本田の背中を追うべく、今一度、自分に何ができるのか、森保ジャパンに何をもたらせるのかと真剣に模索してほしいものである。

(取材・文・元川悦子)

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最終更新:3/27(水) 10:10
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