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「ジェネレーションフリーの社会」の発想が、 年金制度の行き詰まりも打開するvol.4

3/28(木) 8:04配信

Meiji.net

「ジェネレーションフリーの社会」の発想が、 年金制度の行き詰まりも打開するvol.4

北岡 孝義(明治大学 商学部 教授)

少子高齢化によって、世代間扶養の公的年金制度は限界にきているという議論をよく耳にします。そこで、マクロ経済スライド制の導入など、様々な対策が考えられています。しかし、そうした対策には、本質的な問題に正面から取組む発想がない、という指摘があります。

◇抜本的改革には多様性を尊重する発想が必要

「ジェネレーションフリーの社会」を創るためには、働く人の意識改革ももちろんですが、経営者や企業のみなさんの意識改革こそが重要です。

従業員が働くことを苦痛に思う職場環境であっても、苛烈な競争の時代なので我慢して当然、そのための給料だと考える経営者、また、高齢者は戦力にならないとして早期退職を促進する企業。このような経営者や企業のもとでは、短期的に利益を上げることができても、長い目で見れば立ちゆかなくなると思います。

若い世代にも高齢者にも、一人ひとりに個性があり、能力があり、得意なことがあり、そして働く意義があるのです。

それを見極め、それぞれに生産性を発揮してもらう環境を考え、整えることが新たな価値の創造に結びつくという発想が、これからの経営者、企業にとって重要です。

さらにいえば、これは高齢者に限らず、女性にも同じことがいえます。

スウェーデンでは、様々な組織が男女ほぼ半々で構成されています。

それを日本では、能力の高い男性の機会を奪う逆差別だと指摘する意見がありますが、結局、この意見も、男性と異なる女性の能力を活かすという多様性の発想がありません。

女性と男性の違いを排除するのではなく、その違いを尊重し、その違いに新たな価値を見出す社会を創っていくこと。

年金問題の抜本的解決も、そうした発想で取組んでいくことにあると考えます。

※取材日:2017年12月

北岡 孝義(明治大学 商学部 教授)

最終更新:3/28(木) 8:04
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