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IMFラガルド氏 日本GDP25%縮小に警鐘と打開策

3/29(金) 7:28配信

日経ARIA

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、「日本の実質GDPは、現状の政策のままだと直近の成長推移に比べ、40年後に25%減少する」と試算し、警鐘を鳴らした。ラガルド氏は働く女性向けメディア『日経xwoman』と『日経ARIA』の創刊に際し動画メッセージを寄せ、日本の経済成長率減速を逃れる打開策を提示。IMFによる分析データを公開する。

【関連画像】青線:2012-2017年の平均成長率が続くとした場合。赤線:少子高齢化など人口動態の影響を考慮した場合。緑線:女性の活躍推進を含む構造改革を行った場合。

 日本のみなさん、こんにちは。

 女性のエンパワーメントの促進は、私やこの分野のエコノミストにとっては当然のことです。女性のエンパワーメントは経済成長を促し、経済の強靭(きょうじん)性を高め、所得格差の解消にも貢献し、経済の多様化にも役立ちます。

 日本の経済はとても革新的ですが、女性のリーダーシップとエンパワーメントによって、さらに良くなることが期待できます。

●現状の政策では、40年後に日本の実質GDPは25%低下する恐れ

 2017年の日本のデータを見ると、管理職に占める女性の割合はわずか13%でした。上場企業の役員に至っては4%未満です。

 それに加えて、女性の平均所得は男性の4分の3以下でした。これはG7諸国では最大の男女格差です。

 IMFの研究によると、政策が現状のままだと40年後には日本の実質GDPは25%低下してしまう恐れがあります。この理由は、人口減少と少子高齢化によるものです。

 このような日本の経済鈍化の予測を見ても、女性の社会進出を促し、能力を高めることは大変意義があります。もし日本が女性の活躍推進を含め、労働力全体の強化などを重点とするさまざまな改革を実行すれば人口減少や少子高齢化のマイナス影響を跳ね返し、40年後には実質GDPを15%伸ばす事ができると予測されています。

 では、人口減少や少子高齢化のマイナス影響を跳ね返し、15%回復させるためには、具体的に何をすればよいのでしょうか?

税制や社会保障の改革を通じ、男女の賃金格差を無くすことがカギ

 まず政策面での障壁を取り除かなければいけません。それに加えて、女性に限らず子育て世代が利用できるリーズナブルな価格の保育施設や介護施設を増やす努力が必要です。これは予算を用意するだけではありません。安倍首相のもとで予算は強化されましたが、予算以外の障壁も取り除いていかねばなりません。これが1点目です。

 2点目に税制や社会保障の改革です。女性の意欲を失いやすくし、男女の賃金格差を生み出す不利な条件を無くすことです。

 3点目は、コーポレートガバナンスの改革を通じた過剰残業への対策を実行することです。この改革は既に始まっており、安倍首相も積極的に取り組まれていると理解しています。

 しかしこうした政策が成功するには女性のエンパワーメントが文化の一部として根付き、働く女性に対する人々の姿勢にも浸透しなければなりません。経済活動に参加する女性たちは、社会共通の利益のために優れた才能を発揮しているのですから。

 そのためには社会・文化の障壁も取り払わないといけません。

 男性も男女平等のために力を合わせ、見識を共有し、喜びも苦労も分かち合い、お互いの才能を存分に発揮できるように刺激し合うべきです。

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最終更新:3/29(金) 10:20
日経ARIA

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