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朝ドラ100作め「なつぞら」はアニメの黎明期を描く

4/1(月) 10:30配信

otoCoto

オープニングアニメを制作(キャラクターデザイン、演出、原画)したのは、1996年生まれの刈谷仁美。彼女のほか、制作スタッフ(舘野が代表をつとめるササユリと、東映アニメーション)は二十代の女性が多く、「なつぞら」の時代のアニメーションをリアルタイムでは知らないながら、当時のアニメにオマージュを捧げるように作ったという。

昔といまの融合になっているところと、あえて女性ばかりで作ったところが、興味深い。女性らしい柔らかさを感じるなどと書くと、昨今、男女差別になりそうだが、きっと二十代の女性が集まって作った個性というのは形成されているだろう。それがどういう部分に見出すか見た人が自由に感じればいいのだと思う。

試写での磯プロデューサーの話で興味深かったのが、主人公を戦争孤児の設定にした理由だ。

「60年代のアニメには、『あしたのジョー』『みなしごハッチ』『タイガーマスク』など親のいないこどもを描いたものが多く、戦争で傷ついた方たちへのメッセージがあったのではないかと思う。当時のアニメは子供向けに作られていて、子どもたちにメッセージを込めてアニメを作るなつを、戦争孤児に設定することで、彼女の思いがより明確になるのではないかと考えた」と言う。

なるほど、アニメがなぜ生まれ、広がっていったか、その歴史が物語の底に流れているのだ。アニメをモチーフにしたドラマに真摯に取り組んでいる信頼感を覚えた。

これから半年、アニメのオープニングが流れ、子供向けのアニメがはじまったのか? と最初のうちは面食らう人もいるかもしれないが、すぐに慣れるし、楽しみになっていくと思う。

第一週「なつよ、ここが十勝だ」は、十勝に引き取られたなつが、酪農の手伝いをしながら、柴田家にじょじょに馴染んでいく様子を描く。

なつの幼少期を演じる粟野咲莉が表情豊かで魅力的。広瀬は「幼少期のなつに感情移入して号泣してしまった」と語るほど。小さい体で懸命に生きようとする様子がほんとうに泣ける。

なつに厳しいながらも愛情をもって接するおじいさん・泰樹を演じる草刈正雄は「究極の頑固親父を演じている」と語り、その姿がじつに頼もしい。

婿養子でちょっと気弱なお父さんの藤木直人も、あたたかいお母さんの松嶋菜々子も華があって、その仕草に見入ってしまう。ほかにも、たくさんのすてきな登場人物が出てくる。

なつがアニメに惹かれていくきっかけも描かれていて、期待が膨らむばかり。

登場人物もエピソードてんこもり、みどころいっぱいの第一週だ。

文・木俣冬

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最終更新:4/1(月) 23:15
otoCoto

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