ここから本文です

「とんでもないことが起きている……」 日本にコカインが激増した2013年に何があったか

4/1(月) 19:00配信

文春オンライン

 大半が人から人へ渡る舶来品である麻薬はその性質上、周囲を巻き込まずに置かない。コカイン使用容疑で逮捕された俳優・ミュージシャンのピエール瀧容疑者(51)にコカインを譲渡した疑いで、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は3月19日、通訳業の田坂真樹容疑者(48)を逮捕した。

【写真】この記事の写真を見る

 全国紙社会部記者の話。

「注目は田坂の夫で、瀧が所属するテクノバンド『電気グルーヴ』と関係の深い有名DJです。田坂は『知り合いに頼まれて渡したが、コカインとは知らなかった』と供述しており、次の捜査の矛先が注目されます」

 コカイン禍はどこまで広がるのか。日本では過去、コカインは覚醒剤、大麻の陰に隠れ、目立たない存在だった。それが一変したのが2013年。前年の押収量の実に10倍超である118キロものコカインが神奈川県の海岸に漂着したのだ。

「何かとんでもないことが起きていると思った」と当時を知る捜査関係者は振り返る。「そんな需要があるとは思えず、衝撃だった。日本市場開拓のためだったのか……」

“セレブドラッグ”として芸能界で流行

 その分析は残念ながら正解だったようだ。この年を境にコカイン絡みの事件の数値が軒並み上昇を始めている。警察庁によると、検挙人数は同年に46人だったのが4年後に約4倍の177人に。外国人が4割と突出して多く、訪日観光客の増加も拍車をかけたとみられる。

 決定的に変化したのが密輸だ。財務省によると、これまで2桁も稀だった税関の押収量は16年には119キロ、昨年には過去最多の152キロを記録。薬物に詳しい暴力団関係者が背景を解説する。

「麻薬は手元に置く時間を極小化するため、事前に卸先を確保するのが常識。需要なしに密輸なんてしない。気軽な“セレブドラッグ”として芸能界で流行してるよ」

 危機感を覚える警察庁は、新開発したコカインの光学系鑑定機器を2019年度中に導入する方針だ。警察関係者は「従来の鑑定キットは危険ドラッグとの見分けがつかず、誤認逮捕が相次いでお蔵入りとなっていた。ここ数年はコカインの疑いがあっても現行犯逮捕ができていなかったが、新型は数分でバッチリ鑑定できる」と意気込む。

 国内初となる“コカイン流行期”を押さえ込めるか。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年3月28日号

最終更新:4/1(月) 20:03
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事