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習志野高「サイン盗み」疑惑、告発した星稜高・林和成監督の“主張”を一挙掲載

4/2(火) 5:57配信

デイリー新潮

「週刊新潮」の独自取材

 選抜高等学校野球大会が始まったのは1924年。元号では大正13年となり、1月に昭和天皇(当時:皇太子裕仁)が、香淳皇后(当時:女王良子)と結婚した年でもある。

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 いわゆる“春のセンバツ”は今年で91回目という長い歴史を持つが、前代未聞の大騒動が3月28日に起きた。

 その“主役”が、星稜高校(石川)の林和成監督だ。星稜高は大会屈指の右腕である奥川恭伸(3年)を擁し、優勝候補の呼び声も高かった。事実、初戦は履正社(大阪)に3-0で完封勝利。奥川は毎回の17奪三振、3安打と相手打線を完全に抑え込んだ。

 3月28日、星稜は習志野(千葉)と対戦。平日にもかかわらず、3万8千人の観客が押しかけたのは、何よりも奥川の投球を見たかったからに違いない。

 結論から言えば、星稜は1-3で敗れた。奥川は10三振を奪ったが、逆転負けを喫した。大会を主催する毎日新聞は、星稜の敗因を「打線のつながりを欠いた」と指摘した。

 そして本題は、ここから始まる。星稜の林監督は試合終了後の記者会見で、習志野のサイン盗みを指摘。それだけにとどまらず、習志野の控え室に乗り込み、小林徹監督に猛抗議を行ったのだ。

 その後、林監督は騒動には謝意を表したものの、「サインを盗まれた」との抗議を取り下げることはなかった。その主張は、今も変わっていない。これに対し、小林監督と審判委員は「サインは盗んでいない/盗まれていない」の見解で一致している。

 この一件は、スポーツ紙などが詳細に報道した。大会終了後に高野連の規則委員会が検証を行うかどうか判断するとの観測もあり、依然として予断を許さない。そんな状況の中、星稜の林監督が「週刊新潮」の取材に応じた。その内容をご紹介しよう。

林監督インタビュー

 大前提として、私がしたこと自体は、良い行動ではなかったと思います。まだ試合を残している習志野高校の選手たちに影響を与えてしまったという申し訳なさはあります。

習志野戦での敗北は、もちろん受け入れています。野球部員も同じです。私たちが1点しか取れなかったことは紛れもない事実です。習志野の飯塚脩人投手(3年)は素晴らしいピッチングでした。

 私はサイン盗みのことを、試合中の選手に伝えてしまいました。彼らを動揺させてしまったことも事実です。サインを盗まれないようにするため、試合中にピッチャーからサインを出すようにしました。

そのためキャッチャーとの連携ミスが起こり、7回にはキャッチャーが後逸したこともありました。奥川も、いつものキレのあるボールは、ほとんど投げられていませんでした。

 習志野がサインを盗んでいると選手に伝えるリスクも承知していました。とても難しい判断だったわけで、やはり選手には伏せておいたほうがよかったのかもしれません。

 伝えたことで、選手は本来の力を出せなかったと思います。守備だけでなく、攻撃にも悪影響が出てしまいました。選手に何も伝えず、がっぷり四つに組んで戦っていたら、結果は違ったのかもしれない。そう思うと、後悔が残る試合になってしまいましたし、サイン盗みにこだわりすぎたところは反省するしかありません。

 そもそもサイン盗みに気づいたのは、習志野の1回戦、日章学園戦です。私は試合の映像を撮りながら観戦していたのですが、1回から9回までサイン盗みをしていたのを、私の目で確認しています。

 具体的には、2塁ランナーのジェスチャーで球種を伝えていたのです。私は宿舎に帰ってから、サイン盗みの分析を行いました。すると、ジェスチャーを見るだけで、どの球種と伝えているかまでわかりました。

 そのため習志野戦の試合前、石川県の高野連に所属する審判にサイン盗みについて伝えました。その方は「当日の審判にも伝えておく」と言ってくださり、確かに当日の主審も敏感に対応してくれたと思います。

 しかし、サイン盗みをしているかどうかを見分けるのは非常に難しく、仮に罰則規定をもうけたとしても、根絶は難しいかもしれません。

 だとすれば、個々の監督が意識を統一して指導にあたるしかないでしょう。子供たちは精一杯、頑張っています。私たち大人がフェアな環境を作り上げ、サイン盗みを根絶していく必要があると思います。

 ただサイン盗みは、これまでに何度も議論されてきました。私の心の中に「このままではまた、なかったことにされてしまうんじゃないか」、「誰かが声を上げなければ状況は変わらないんじゃないか」という思いがあったのは事実です。

 なにも「あの一戦は没収試合にしてほしい」と要求しているわけではありません。野球界全体のためを想い、処分を受けることも覚悟して行動しました。今日も本校(註:星稜高校)に100件以上の苦情電話が寄せられたと聞きました。

 習志野戦で敗北したために抗議したという側面は、正直なところ、ゼロだとは言えません。しかし、仮に勝利していたとしても、何らかのアクションは起こしていたと思います。

 私は生徒や野球部員と同じ気持ちで、試合に臨んでいます。常に一世一代の覚悟を持ち、1試合、1大会に勝負をかけています。だからこそ、試合後にあのような行動を取りました。

 私たちのような田舎のチームが優勝候補と評価していただけたことは、私の今後の人生で2度と起きないのかもしれません。だからこそ、ああいう終わり方は残念でなりません。

 3月28日の夜、野球部員には「もやもやした気持ちは大阪に置いていこう」と伝えました。それが29日、石川県に帰ってくると、もう彼らは晴れやかな顔をしていました。一番気持ちを切り替えられていないのは、私かもしれません。

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最終更新:4/2(火) 13:27
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