ここから本文です

スティーブ・ジョブズの根底にも! いま大注目の哲学

4/2(火) 13:17配信

日経ARIA

プラトン、ニーチェ、ショーペンハウアーetc.名前を聞いただけで、頭痛が起きそうな大物哲学者たち。でも、哲学は今や働く女性の必須教養です。古今東西の哲学者が人生をかけて導き出した哲学を応用すれば、思考のショートカットになり、生きやすくなること間違いなし! では、ARIA世代の悩みを大物哲学者に相談するとどうなる? 山口大学准教授の小川仁志さんが、歴史上の哲学者になりきってズバリ回答。「哲学的思考」も学べる連載第2回は、いま大注目の「プラグマティズム」を引っ提げ、デューイが助言をくれます。

【関連画像】スティーブ・ジョブズを始めとするアメリカの起業家やリーダーたちの思考の根底にあるプラグマティズム。既存のやり方ではうまくいかない時代になっているからこそ、注目されている哲学です (C)PIXTA

今回のお悩み

昇進してマネージャーになったものの、部下を率いていく、そして正当に評価ができる自信がありません。ビジネス書を読み漁り、先輩たちのノウハウにも学びましたが……。他のマネージャーたちと同じようにやっていけるのかも不安です。

 人事考課制度や目標管理マニュアルに育成マニュアルetc. 課長に昇進したその日から、できて当たり前、先輩たちがやってきた通りにやらなければと思い込んでいるあなたには、「概念・理論・思想体系は、道具である」という、最近注目が集まる哲学者ジョン・デューイの言葉を贈りましょう。

デューイがズバリ回答!

やり方やマニュアルなんて、道具にすぎません。どんなやり方でも試行錯誤しながら、あなたらしく、あなたの上司像でやればいいのです。

ゲスト回答者プロフィール

ジョン・デューイ(1859~1952)

プラグマティズムを大成したアメリカの哲学者、教育学者。プラグマティズムの視点から学問や知識は人間が行動するときに役立つ道具にすぎないとする道具主義を唱えた。問題解決型の教育論でも有名。著書に『学校と社会』『哲学の改造』など。

いま大注目! アメリカ生まれの思想「プラグマティズム」

 デューイは、知識や概念、思想はそれ自体に価値があるのではなく、生活での矛盾や困難を解決し、人が環境に適応していくための道具だとしたのです。メガネがモノをはっきり見るための道具であるように、知識も人間の行動に役立つ道具として捉えました。

 つまり、この場合で言えば、やり方やマニュアルはそれ自体が目的ではなく、人を評価するためのあくまでもただの道具。何を使ったとしても、要はうまくいけばいいのです。チームがうまく機能して、個々が頑張れる状況をつくれていれば、十分上司の役割を果たしているのです。

 例えば、上司が食事に連れて行ったことで士気が上がった部下が仕事を頑張り、プロジェクトがうまくいったとします。部下が頑張った動機は「食事をごちそうになったから」というやや不純なものかも知れませんし、他の部下には同じ機会を与えていません。さて、こんなとき、高い評価を付けていいのでしょうか。

 答えは、高い評価を付けてもいい。つまり「実用的にうまくいけばそれが正しい」という発想は、プラグマティズムと呼ばれます。

 プラグマティズムはデューイが完成したアメリカ生まれの思想で、不確定な状況に対し、問題を設定し、仮説を立てて推論し、やってみる。途中で間違えたと分かったら修正すればいい、結果的にうまくいけばどんなやり方であったとしても、途中でいくら失敗したとしてもOK。失敗も次の成功へのヒントとなると考えます。

哲学KeyWord:プラグマティズム

ギリシャ語で行為や実践を意味する「プラグマ」に由来する語。C.S.パースが唱えウィリアム・ジェームズが発展させ、デューイによって完成。知識とはそこから引き出される効果によって確定されるものであり、その知識が実生活に有用であれば真理であるとする。  

1/2ページ

最終更新:4/2(火) 13:17
日経ARIA

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事