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小島慶子「SNSで拡散する憎悪を野放しにしていいのか」〈AERA〉

4/6(土) 11:30配信

AERA dot.

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 ニュージーランドのモスクで白人至上主義のオーストラリア人が銃を乱射し、50人が犠牲になりました。直ちに銃規制の強化を発表したアーダーン首相のリーダーシップと真摯なメッセージには胸を打たれます。首相はシリコンバレーに対し、ヘイト発言を放置するべきではないと求めています。容疑者はネットで犯行を予告し、銃乱射の様子を自ら生中継。フェイスブックの対応は遅く、動画は4千回以上もシェアされました。

 オーストラリアでは、国民的なスポーツであるオーストラリアンフットボールの先住民系の選手に対するネットの差別や攻撃に対し、競技連盟が人種差別は断固許さないと声明を発表しました。「ソーシャルメディアはその匿名性によって悪意ある人々に声を与えてしまっている」と指摘しています。

 日本では先日、匿名で韓国人に対するヘイト発言をツイートしたとして、日本年金機構世田谷年金事務所の所長が処分を受けました。重大な人権侵害行為であるにもかかわらず、謝罪コメントは「個人的な発言により傷つけた人におわびする」というものでした。

 かつて、インターネットは公権力の規制を受けずに世界中の人々が自由に言葉を交わす場としてポジティブに捉えられていました。でもそれは黎明期のユートピア。社会のインフラとなったネットは、今や差別や憎悪、虚偽情報が跋扈し、人権侵害や犯罪の温床にもなっています。最先端の技術は世界を進化させるどころか、中世に引き戻したかのようです。

 アーダーン首相は言いました。「SNSは善や愛を広めることができる一方で、憎悪をも拡散する。差別や暴力に寛容であってはならない」。もはや個人の心がけ任せではなく、ネットでの暴力を野放しにさせないルール作りを真剣に考える時期ではないかと思います。

※AERA 2019年4月8日号

最終更新:4/6(土) 11:30
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