ここから本文です

働き方改革推進に立ちはだかる難問「長時間労働」の現状と対策を考える 第3回(全3回)

4/5(金) 7:31配信

日本の人事部

働き方改革のなかでも、とくに問題視されているのが依然として多い長時間労働です。長時間労働を続けた事業場や従業員が受けるデメリットは大きく、経営層をはじめ、組織全体の意識改革が求められています。

ここでは、長時間労働の現状を理解するとともに、原因とリスク、企業が取り組むべき対策について、3回シリーズで解説していきます。(第2回「長時間労働の原因」「長時間労働が企業に与える影響とリスク」よりつづく)

企業が行うべき長時間労働削減に向けた取り組み

長時間労働を削減するための取り組みは、今やすべての企業にとって急務といえるでしょう。ここでは、具体的な対策について見ていきます。

■長時間労働の現状を把握する■

長時間労働の削減に向けて、まず重要となるのが現状の把握です。社内でどれだけ長時間労働が行われているのか、そしてそれは部署による偏りがあるかなど、具体的な情報を収集します。

厚生労働省では、2017年1月に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定しました。このガイドラインでは、長時間労働の把握において次のことが必要と示しています。

・始業・終業時刻の確認および記録 (日々の作業)
・賃金台帳の適正な調製 (日々および毎月の作業)
・労働時間の記録書類の保存(3年間)
・労働時間を管理する者の職務の適正化
・労働時間等設定改善委員会など労使協議組織の活用

このように、企業側は日頃から適正な労働時間を守れるよう把握・管理することが重要となります。


■社内の意識改革■

長時間労働を是正するには、経営トップをはじめ、従業員全員が意識を高め、長時間労働の削減に取り組む必要があります。特に残業が当たり前の企業風土が根付いている場合は、経営トップや管理者層が率先して長時間労働に対する意識改革を行う必要があります。

管理職に対しては、長時間労働のリスクや管理方法を教育するマネジメント研修を実施するなど、具体的な行動のあり方を教育していくことが重要です。また、一般社員に向けては生産性を高める働き方についての研修を行い、業務効率に対する意識を高めていくことも有効な方法です。


■年次有給休暇の取得促進■

有給休暇の取得を促進することで、総労働時間の削減につながります。ただし、有給休暇が取りにくい風土が社内にあったり、業務に支障がでる心配があったりすると取得促進ができません。例えば、土日と祝日に間にある平日をあらかじめ有給休暇として会社側が指定するなど、計画的付与制度を活用するのもよいでしょう。


■ノー残業デーの導入■

残業が常態的に行われている、あるいは周囲が気になり帰りにくいという職場環境の場合は、従業員全員が取り組める制度を導入するのも一つの方法です。例えば、ノー残業デーは部署単位で実施することもできるため、繁閑時期に合わせて設定する方法も可能です。


■勤務間インターバル制度の導入■

勤務間インターバル制度は、終業時間から翌日の始業時間まで一定時間を空けて、しっかり休息をとるという制度です。例えば、12時間のインターバルを設定している場合、仮に24時まで働いた翌日は12時間後の12時に仕事を開始するというものです。

2018年6月29日に「働き方改革関連法」が成立し、それに基づいて「労働時間等設定改善法」が改正されました。これにより、施行日となる2019年4月1日から勤務間インターバル制度が事業主の努力義務となることが定められ、今後は同制度を導入する企業が増えていく可能性があります。


■テレワーク導入による業務効率化■

テレワークは、会社に出社せず自宅などで仕事をする働き方です。通勤にかかる時間や労力を削減できるため、業務効率化につながる仕組みともいえます。ただし、管理者層が労働時間を把握することが難しくなるため、導入にあたっては事前に運用ルールをしっかり定めておく必要があります。

長時間労働の削減は優先すべき経営課題

長時間労働は生産性や業績を悪化させる要因になるだけでなく、企業にさまざまなデメリットとリスクをもたらします。適正な労働時間への取り組みは、優先すべき経営課題になっているといえるでしょう。

長時間労働の削減を実現するには、職場環境や働き方そのものを見直す必要があります。経営トップはもちろん、管理層による強い意志が必要不可欠となります。まずは現状を正しく把握し、原因に適した対策を講じることが何より重要です。

最終更新:4/5(金) 8:43
日本の人事部

記事提供社からのご案内(外部サイト)

日本の人事部

株式会社アイ・キュー

毎週更新

無料

日本最大のHRネットワーク。企業研修、採用
、評価、労務などのナレッジコミュニティと
して、イベントや雑誌などと連動しながら
「人・組織」に関する課題解決をサポート。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事