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天才デザイナー アレキサンダー・マックイーンはいかに生き、なぜ自らその生涯を閉じたのか?

4/5(金) 11:30配信

T JAPAN web

そのあまりにも劇的な生涯を描き出す、ドキュメンタリー映画『マックイーン:モードの反逆児』

「自分のことを語る必要なんてない。僕の作る服が、僕のことを語っている」。生前、めったにインタビューを受けなかったアレキサンダー・マックイーンはこう語ったことがある。いまやほとんどのブランドがマーケティングに左右され、アーティスティック・ディレクターたちが目まぐるしく交代するなかで、こう言い切れるデザイナーが果たして何人いるだろう? アレキサンダー・マックイーンのショーは毎回センセーションを巻き起こした。単に洋服を見せるランウェイではなく、舞台全体が総合芸術と言えるほどにアーティスティックで斬新であり、デヴィッド・ボウイ、レディ・ガガ、ビョークら尖った感性を持ったアーティストたちから愛された。

プライベートでも仲が良かったケイト・モス

 マックイーンの生涯は、どんなフィクションにも劣らぬほどドラマティックだ。イギリスの労働者階級の出身で、何もないところから出発し、23歳でコレクション・デビュー。1997年に27歳でジバンシィのデザイナーに抜擢されて自身のメゾンと兼任し、34歳で大英帝国勲章を授与された「モードの反逆児」。ファッションデザイナーというよりはまさしくアーティストであり、そんな生き方をラジカルに貫き、不器用なほど自分に正直に生きて、最後は40年の生涯に自身で幕を引いた。新作ドキュメンタリー、『マックイーン モードの反逆児』は、そんな彼の業績に最大限のオマージュを寄せながら、そのきらびやかな成功の陰に隠れた、彼の負の業を浮き彫りにする。

 メガホンを握ったのは、ともにドキュメンタリー制作は初めてというイアン・ボノート(『エッジ・オブ・スピード』)と脚本家ピーター・エテッドギー。ふたりは本作を共同監督するにあたって、「なるべくマックイーン本人の言葉を発掘すること」、そして「マックイーンの人生と密接に融合していたそのクリエーションを通して、彼の本質に迫ること」を念頭に、映画を5つのパートに分け、彼の軌跡を追う。

 とくに本ドキュメンタリーで感慨深いのは、これまで取材を拒んでいた彼の家族や、長年苦楽を共にした近しいスタッフや友人たちの、語られることのなかった証言が集められている点だ。そのなかには、自らもDVを受けたという姉や甥によって明かされた、義兄による幼い頃の虐待も含まれている。

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最終更新:4/5(金) 11:30
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