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ボストン・ダイナミクスはロボットの「知覚」に磨きをかけ、その進化を加速する

4/5(金) 12:12配信

WIRED.jp

インターネットの住人にとってボストン・ダイナミクスという企業は、こんなふうに思われているに違いない。ヒト型ロボット「Atlas(アトラス)」がバク宙したり、“ロボット犬”として知られる「SpotMini(スポットミニ)」がドアを開けたり棒を持った人と格闘したりするような、おかしな動画をアップする企業である──と。

【動画】ボストン・ダイナミクス「Handle(ハンドル)」

つい先週もボストン・ダイナミクスは、「Handle(ハンドル)」と呼ばれるセグウェイの強化ヴァージョンのようなロボットの新しい動画を公開した。Handleが素早く移動し、ヴァキューム式のアームを使って箱を持ち上げたり積み上げたりするのだ。

一方、ジャーナリストや業界ウォッチャーにとってボストン・ダイナミクスは、最終的に何を目指してこうした研究に取り組んでいるのかを明かさない企業として知られている。

だが、そんな状況は変わりつつある。4足歩行するSpotMiniの正式な発売が近づくにつれ、ボストン・ダイナミクスは徐々にその野望を明らかにし始めたのだ。

ソフトウェア企業の買収で“ニューロン”を手中に

ボストン・ダイナミクスは4月2日(米国時間)、そのヴィジョンをさらに明確に示した。シリコンヴァレーのスタートアップ企業であるキネマ・システムズ(Kinema Systems)の買収を発表したのだ。

キネマ・システムズは、産業用ロボットアームが荷物を動かす際に役立つ画像処理ソフトウェアの企業である。同社の買収によってボストン・ダイナミクスは、SpotMiniに続いてHandleを商用化するうえで必要なニューロン(神経細胞)のような機能を手に入れたことになる。長年にわたってネット民たちの目の肥やしだった動画が、ようやく「ロボット化される未来」というひとつのヴィジョンとして具体化してきたのだ。

ロボットの開発における最も大きな障害のひとつは、ロボットの知覚が限られていることである。わたしたち人間は、さまざまな感覚を利用して周囲の状況を認識しながら移動する。ロボットにも同じものが必要だが、そうしたものがないと“自滅”してしまう。例えば、箱を拾いに行くタスクを実行する場合、人間は照明の光や、それによってできる影が手の配置に影響を与えることなど、深く考えないだろう。

キネマのソフトウェアは、こうした課題を克服するうえで役に立つ。すでにHandleのみならず、さまざまな種類のロボットで研究が進められてきたからだ。

「キネマのシステムは、積み重ねた状態の箱を認識することができます」と、ボストン・ダイナミクスのビジネス開発担当ヴァイスプレジデントのマイケル・ペリーは語る。「しかも、箱の並べ方や目印の有無、照明の状況にかかわらず、それぞれの箱が別物であると判断し、つかむための道筋を考えることができるのです」

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最終更新:4/5(金) 12:12
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