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初期のフェイスブックを支えた投資家は、なぜ批判の急先鋒に転じたのか

4/5(金) 12:31配信

WIRED.jp

シリコンヴァレーの著名な投資家で、いち早くフェイスブックの可能性を見抜いていたロジャー・マクナミーが、同社への批判を強めている。なぜ、どのタイミングで考えを180度変え、「反フェイスブック同盟」の急先鋒に立ったのか。世界最大級のカンファレンス「SXSW」のステージで語った。

個人に帰着する問題ではない

シリコンヴァレーの著名な投資家であるロジャー・マクナミーがマーク・ザッカーバーグと初めて出会ったのは、2006年のことだった。フェイスブックの最高経営責任者(CEO)は弱冠22歳。創業2年の彼の会社は、まだ大学の学生相手のビジネスでしかなかった。

しかしマクナミーは、このスタートアップが「次の大ブーム」になると確信した。テキサス州オースティンで開かれていた世界最大級のカンファレンス「SXSW(サウスバイサウスウェスト)」に登壇したマクナミーは、『WIRED』US版編集長のニコラス・トンプソンに次のように語っている。

「Facebook以前のソーシャルアプリがどれも廃れていったのは、原則的には匿名で参加できることで“荒らし”がはびこったから。マークはFacebookのユーザー登録に身分証明書の提示を義務づけていたが、これは本当に画期的で、成功の鍵になったんだ」

まだ当時は、フェイスブックに投資するといった話は出ていなかった。マクナミーは、サッカーバーグとの最初のミーティングをアドヴァイスを提供する機会として捉え、ソーシャルネットワークに対する「答え」を出した青年のことを知るチャンスとして考えていた。「Facebookのようなものが将来的に問題になる可能性があるなんて、あのときは考えもしなかった。ほかの人たちと同じように、わたしもテクノロジーに対して楽観的な立場をとっていたからね」と、マクナミーは言う。

フェイスブックへの見方を180度変えたマクナミー

それから13年という月日が経った現在、フェイスブックに初期から投資していたことで知られるマクナミーは、同社を声高に批判するようになっている。2月に出版されたばかりの最新作『Zucked: Waking Up to the Facebook Catastrophe』のタイトルを見るだけでも、彼のフェイスブックへの見方が180度変化したことが理解できるだろう。

マクナミーはこの変化について、以下のように説明する。

グーグルやペイパル、フェイスブックといった「Web 2.0」を代表するテック企業は、2000年代初頭から急成長し始めた。ビジネスが拡大するにつれ、こうした新興のテック企業は従来の企業とは異なる姿勢を打ち出すようになった。マクナミーによれば、基本的に「自分たちが生み出す混乱には一切責任をとらない」と宣言したのだ。

どの企業も、事業の拡大を支えて利益を確保するために、大量の個人情報を収集した。そして、そこに何の問題も見い出さなかった。

マクナミーは「シリコンヴァレーのそれ以前の世代がこういう考え方をしたとは思わない」と話す。「こうした新しいテック企業の創業者は素晴らしい人たちだし、創造したものには本当に敬意を払う。でも、それを社会に害を及ぼすようなビジネスモデルとは違ったやり方でつくり上げることができていれば──と思えてならないんだ」

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最終更新:4/5(金) 12:31
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