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5G時代に動き出したアップル 3つのコンテンツサービスを解読

4/5(金) 12:05配信

日経クロストレンド

 米国時間2019年3月25日、アップルは動画配信「Apple TV+」や雑誌・新聞記事の読み放題「Apple News+」などの新サービスを発表した。日本に上陸したときのインパクトや、アップルが今後コンテンツ系サービスのプラットフォーマーとして勝ち抜くための条件について分析する。

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●動画配信は5G時代に欠かせないコンテンツサービス

 アップルは今回の発表会で、大きく分けて4つの新たなサービスを発表した。このうちApple Payと連携するクレジットカード「Apple Card」を除く3つが、今回分析するコンテンツ系新サービスだ。

 まず動画配信のTVアプリ「Apple TV app」を見ていく。これはiOS端末や、HDMIストリーミング端末のApple TVで利用できる、テレビ番組や映画など動画コンテンツを視聴するためのアプリで、アップルは16年から北米で展開してきた。今回はそこにテレビ系コンテンツを拡充したほか、リコメンデーションエンジンのアルゴリズムやユーザーインターフェースのブラッシュアップも行う。19年秋には北米をはじめ100を超える国々で、月額定額制のオリジナル動画配信「Apple TV+(アップルTVプラス)」も始める。日本でも同じタイミングで導入されることになりそうだ。

 アップルは今後、間違いなく動画配信サービスを徹底強化してくるだろう。同社はまだiPhoneの5G対応について見解を明かしていない。しかし19年後半以降には、世界中で5Gの高速通信技術が生かせるコンテンツが求められる。5Gと相性のいいコンシューマ系サービスとして、動画配信は一般ユーザーに訴求しやすい。またiPhone/iPad、Macなど、ハードウエアの差別化にとっても欠かせないサービスだ。

 アップルが日本で動画配信サービスを成功させるためには、洗練されたiOSデバイスとアプリのユーザーインターフェース以外、“中身(コンテンツ)は空っぽ”にして市場に乗り込むくらいの覚悟も必要だろう。

 米国の映画やテレビドラマには、世界中で人気を集めるコンテンツがある。だが、特に日本は「言語の壁」だけでなく、テレビを手に入れれば無料で見られる質の高い番組がそろっているため、米国製コンテンツだけでは獲得できるファンは限られる。オリジナルコンテンツを含め、「テレビは無料で見られるもの」という常識に立ち向かいながら、アップルが独自のサービスを根付かせるには、日本のテレビ局や映像プロダクションと深く強い関係を築く必要がある。

 iPhoneなどモバイル端末で映像を楽しむ会員を多く獲得するには、通信キャリアの力も借りなければならない。NTTドコモは独自の動画配信プラットフォーム「dTV」を持っているため、アップルのサービスとライバル関係になる。KDDIとソフトバンクはNetflixと既に手を組んでいる。音楽配信のApple Musicについて、アップルは19年からKDDIと協業している。KDDIと一緒に「音楽とテレビ、セットでお得な定額制プラン」のような戦略を打ち出せれば、注目されそうだ。

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最終更新:4/5(金) 12:05
日経クロストレンド

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