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「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない

4/6(土) 12:11配信

WIRED.jp

英国人のうち約3分の1が、自分のことを「夜更かし」であると認めている。つまり、夜のほうが物事をてきぱきとこなせるというのだ。

「朝型」「夜型」の原因は遺伝子にある?:8万9,000人以上の調査結果

その仲間に、ウィンストン・チャーチルやマルセル・プルースト、エルヴィス・プレスリーも名を連ねるだろう。だからといって、目覚まし時計が朝に鳴ってもなかなか起き上がれない苦しみを和らげてくれるわけではないのだが──。

『Nature Communications』にこのほど掲載された新たな研究結果は、あなたを朝きちんと起きられる人に変えるまでの力はないだろう。しかし、なぜ朝型人間と夜型人間にわかれるのか、その謎を解く手がかりを与えてくれる。研究結果によると、朝型人間と夜型人間の違いは「何をしているのか」ではなく、遺伝子によって決まるのだという。

これはすでに、ある程度わかっていたことだ。過去の研究では、人間の体内時計を制御する遺伝子が計24個あることがわかっている。体内時計とは人間の体内で起きる睡眠と覚醒のサイクルのことで、「概日リズム」とも呼ばれている。

そして3人の生物学者が2017年、体内時計をコントロールする時計遺伝子「Period」を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。Periodは、あるタンパク質を夜間につくることで、「眠る時間だ」と知らせてくれる。そして日中になると、この活性が低下する。

時計遺伝子と朝型人間

Periodは24個とされた時計遺伝子のひとつだったが、今回の研究によってこの数は351個になった。英国のエクセター大学医学部で生命情報科学を専門とし、この研究を率いたマイケル・ウィードンは次のように話している。

「もっている時計遺伝子の数によって、朝型の度合いが決まります。研究からわかったことは、351個ある時計遺伝子のうち最も多くもっている上位5パーセントの人は、最も少ない下位5パーセントの人と比べて、平均で25分早く眠りにつくということです」

言い換えると、早く眠りにつきたくなる人も、夜に能率が上がると感じる人も、すべて351個の遺伝子で決められている。このため本人にはどうしようもない、ということなのだ。

なお、この研究では新たな遺伝子の発見だけでなく、こうした遺伝子が活性化される可能性の高い体の部位にも焦点を当てている。

論文の執筆者でエクセター大学医学部に所属するサミュエル・ジョーンズによると、体の部位によって組織の種類は異なるのだという。そのうえで、すべての組織にはすべての遺伝子が含まれているのだと説明する。一方で、すべての組織において、すべての遺伝子が活性化しているわけではないという。

「概日リズムに関連することを突き止めた遺伝子は、脳と網膜で活性化されている傾向がみられました。この傾向のおかげで、朝型人間や夜型人間を生み出す際に、体のどの部位が重要なのかがわかったのです」と、ジョーンズは話す。「こうした遺伝子が脳内で活性化されているという結論は、驚くに値しません。脳が体の“マスタークロック”であることは周知の事実だからです」

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最終更新:4/6(土) 12:11
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