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事故を44%も減少させる万能装備を切る必要ある? クルマの「横滑り防止装置」にオフスイッチがある理由とは

4/7(日) 7:01配信

WEB CARTOP

スタックしたときはオフにしたほうが良いことも!

 すでに乗用車、軽自動車の新車への装着が義務づけられているESC(Electronic Stability Control)=横滑り防止装置。トヨタはVSC、マツダやBMWはDSC、日産はVDS、ベンツはESP 、ホンダはVSA、ポルシェはPSMなどと、メーカーごとにバラバラの名称で呼ばれているが、いずれもコーナリング時の不安定な姿勢を自動制御し、可能な限り車両の挙動を安定させる電子デバイスとして、単独事故を約44%も減少させる効果があることがわかっている(独立行政法人自動車事故対策機構のデータ)。

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 これほど優れたESCなのに、多くのクルマにはそれをカットするボタンがついている。これは何のためについているのか? 大きな理由は次の3つ。

1)ぬかるみや雪道、凍結路でスタックしたときのため

 滑りやすい路面でスタックしてしまったときは、ある程度タイヤを空転させないと脱出できないが、ESCが働くとスリップ状態を感知し、アクセルペダルを踏み込んでも出力が上がらないことがある。そうした場合は、ESCをカットしてゆっくりとアクセルを踏んで、回転を上げて脱出する。あるいは前進と後進を繰り返して脱出する。

2)ユーザー車検で検査ラインを通るとき

 ディーラーや整備工場に車検を出す場合は、先方にお任せで構わないが、ユーザー車検を受験するために自分で運輸支局に行って、検査ラインを通す場合は、ESCをカットしておいたほうがいい。

 検査場の「受検に際して必要な指示事項」にも、「トラクションコントロール装置、横滑り防止装置、坂道発進補助装置等については、検査コースに進入する前に当該装置の作動状態を確認するとともに、必要に応じその機能を解除すること」と書かれているので、忘れずに。

3)サーキットやジムカーナ場などでスポーツドライビングを楽しむ場合

 VSCは文字通り横滑りを防止する装置なので、アクセルコントロールで積極的にクルマの向きを変えたり、パワースライドやドリフト状態に持ち込もうとしても、それを是とはしてくれない。意図的にそうしたドライビングを楽しみたい、練習したいというときは、VSCはオフにしたほうがいい。

 ただし、サーキット=VSCオフという考え方は早計で、路面やタイヤが冷えているときや、ウエットのときなどはVSCをオフにすると危険なことに……。ドライの路面でも、完熟走行が済むまではVSCはオンにしておいたほうが望ましい。もし、VSCが介入したら、自分の期待と実際のタイヤのグリップ力には隔たりがあるということを自覚して、まずはドライビングを修正した方がいい。

 というわけで、これらの例外以外は、VSCはカットしない方が賢いというもの。自動車保険でもESCの装着車は割引の対象になるぐらいで、その効果は小さくない。わざわざ装着義務化になったぐらいなので、いたずらにVSCをオフにせず、有能なドライバーエイドとして、上手にアシストしてもらおう。

藤田竜太

最終更新:4/7(日) 7:01
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