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ラオスの経済は好調なのか? ー経済成長率7%の実感と中国マネーに高まる期待ー

4/8(月) 18:00配信

ダイヤモンド・ザイ

外資の波、自然破壊、緩やかに進む変化

 さて、1年半ぶりの首都ビエンチャン。
 
 中心部は高層建築規制があるので、パッと見て急激に変わったという印象はないが、昔からあった古い建物が数カ所、改築されていた。これまでに改築されなかった物件には家族間の遺産相続問題が関連していると聞いていた。兄弟の多い大家族ラオスならではの事情が潜んでいるが、それらが解決してきたということなのだろう。

 「景気は良いのか? 」単刀直入に旧知の事業主達に話を聞いた。彼らがまず口にしたのは「けっして良くはない」ということ。これは5年前からずっと言われていたことだが、状況が少し深刻になってきたのかもしれない。

 ラオスが所有していた金鉱をすべて外資に売却したことを理由に挙げる人もいた。金鉱のみならず多くの関連企業が外資に移り、ラオス企業に恩恵が回らなくなったのだという。

 別の理由として、材木の輸出禁止を挙げた人もいた。1940年代には70%だった森林率が2002年には41%に激減したことを受けて、ラオス政府が2020年までの森林回復を目標とする「森林戦略2020」という政策を立てたが、以後も違法伐採が横行し、現首相の代になり、ようやく本格的な禁止措置がとられた。

 巷では、ラオスで誰もが知る大企業の売却話も聞こえてきた。多くの人にそれとなく聞いても、そんな雰囲気は微塵もないという。報道に出てこない事柄も多くあるラオスなので、真偽のほどは定かではないが、国境や街中のビルボード常連でもあった企業広告が見られなくなった状況を考えると、可能性は否定できない。

公務員数削減で「仕事がない」が深刻化!?

 市井の人々にも話を聞いた。以前からよく口にしていた「仕事がない」という言葉を今回改めて聞いたが、表情には眉間のシワが一本深くなっていたような気がした。
 
 これまで、彼らの言葉の裏には「実は真剣に仕事を探していない」という実態が見え隠れしていたが、今は「本当に仕事がしたくてもありつけない」という現実に変わってきているのかもしれない。

 地方から首都の国立大学に入り、そのまま帰郷せず就職、恋愛、結婚をする若い労働力が首都に流れ込んでいる。政府は財政赤字を是正するため、政府機構の縮小と公務員数(人口の2.8%相当。アセアン域内ではブルネイに次いで2位だという)の削減計画を発表した。

 コネの大きな受け皿であった国家公務員枠が減り、人々はこれまでのようにのんびりとはしていられなくなっているのかもしれない。

 しかし、町を歩くと、高級外車が街中を走り、オシャレなカフェが雨後の竹の子のように乱立し始めている。高級飲食店では、一皿8000円以上の刺し盛りがメニューに並び、4万円以上するワインのコルクが開く。絵に描いたような貧富が、日常的に目の前を通り過ぎていく。

 注釈:現在の発表でラオスのGDPは1人当たり2472ドル(約27万5000円、2017年、ラオス中央銀行)。失業率は2.1%(2016年、ラオス計画投資省)。

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最終更新:4/8(月) 18:00
ダイヤモンド・ザイ

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