ここから本文です

「イルカ監獄」97頭を解放へ、知事が署名

4/9(火) 14:24配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

2018年に捕獲されたシロイルカやシャチの窮状が報じられていた

 ロシア極東のスレドニャヤ湾に作られたいけすに、大量のシャチとシロイルカが閉じ込められ、衰弱していた問題で、ロシア政府は2019年4月8日、97頭の鯨類すべてを野生に返すことを発表した。現地を管轄するロシアの沿海地方のオレグ・コジェミャコ知事が、宣言に署名した。

【動画】「イルカ監獄」の実態を撮影した

 この宣言には、米国カリフォルニア州のNGO「Ocean Futures Society」の創設者ジャン=ミシェル・クストー氏と、NGO「Whale Sanctuary Project」のエグゼクティブディレクターであるチャールズ・ヴィニック氏が共同署名している。

 二人とそのチームはスレドニャヤ湾の施設に1週間滞在し、動物たちと施設の状況を評価した。収容施設に近い都市、ナホトカで発表された共同声明によると、3者は協力し、鯨類の解放とリハビリに向けた計画を直ちに策定するという。「私たちの目標は全頭を海へ返すことです」と、今回の宣言はうたっている。


 捕獲されていた鯨類は、海洋生物を水族館に供給するロシアの4つの企業が、2018年の夏に数カ月かけて捕獲したもの。同年11月、この施設の様子がドローンで空撮され、動物たちの窮状が報じられると、メディアは「イルカの監獄」と呼んだ。

 ロシアの地方当局は、違法に捕獲されたと疑われる鯨類について、同じく2018年11月に捜査を開始。ロシアの検事総長は、これらの動物を中国など他国の水族館に販売するのは違法だと警告していた。

 当局は、NGO「サハリン環境ウオッチ」代表のドミトリー・リシツィン氏や海洋哺乳類の研究者、それに獣医師を招き、2019年1月18日と19日に施設に立ち入り、動物の健康状態を調べた。

 リシツィン氏によれば、シロイルカ87頭のうち15頭は子どもで、捕獲の時点ではまだ離乳していなかった可能性が高い。また、どのシロイルカも弱っていたようだという。

文=NATASHA DALY, MARIA ANTONOVA/訳=高野夏美

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事