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消えたライバル!スズキ・ジムニーだけが生き残れた理由

4/9(火) 18:30配信

Auto Messe Web

悪条件でも走りきれる絶対的な走破性

 2018年7月、じつに20年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けたスズキ・ジムニー。瞬く間に1年分の国内販売目標台数(15,000台)を受注した人気ぶりは周知のとおりだ。実際、ステアリングを握れば今も行く先々で熱い視線を集め、絶好調ぶりはとどまるところを知らない。

ジムニーのライバルだったダイハツ車

「プロの道具」という、機能に徹したコンセプトを明快なデザインでまとめた商品性は、これまで縁がなかった女性層からも注目を集めるほど魅力的。しかも現在、同じ土俵に他メーカーの競合車は一台も存在しない。軽自動車のオフロード4WD市場は、まさしくジムニーの独壇場なのである。

 しかし振り返れば、かつてはジムニーを脅かすライバル車たちが存在した。筆頭は三菱パジェロミニだろう。2代目パジェロが飛ぶ鳥を落とす勢いでクロカンブームを牽引する中、その可愛い弟分として丸目の初代が1994年に誕生した。

 メカニズムは兄貴譲りの凝りようで、ボディはモノコックの軽さと別体フレームの強度を併せ持つビルトインフレーム構造。660ccエンジンは贅沢な4気筒で、高出力版には1気筒5バルブのDOHCターボを7代目ミニカに続いて搭載した(5バルブDOHCは6代目ミニカが4輪車初)。

 駆動方式は走行中も切り換え可能なFRベースのパートタイム4WDで、もちろんハイ/ローの副変速機付き。本格オフローダーとしての走破性を備えたうえ、当時の2代目ジムニーはデビューから13年が経過していたこともあり、普段使いではジムニーを明らかに上回る実用性や快適性を実現した。

 98年には、軽自動車の新規格導入(ボディサイズの大型化)に合わせ、角目の2代目にフルモデルチェンジ。初代のコンセプトを受け継ぎながら、安全性や燃費・クリーン性の向上など、時代の変化にふさわしい進化を遂げた。2008年から日産にキックスの車名でOEM供給していたのも、2代目の特徴だ。

 そして軽の新規格化を機に、ダイハツからはテリオスキッドが参戦。前年の97年に登場したコンパクトSUV、テリオス(1.3リッター)とプラットフォームや基本ボディを共用する軽自動車版で、成り立ちは歴代ジムニー/同シエラや初代パジェロミニ/パジェロジュニアの関係と同じだ。

 ボディは軽SUV唯一の5ドア。現在でも通用するロングホイールベースと相まって、軽ハイトワゴンにヒケをとらない室内の広さを誇った。3気筒DOHCターボエンジンには、ハイパワーなインタークーラー付きと実用型のロープレッシャー版を設定。駆動レイアウトはFRベースで、4WDには上級オフローダーで主流のセンターデフロック可能なフルタイム方式を採用した。また、最低地上高195mmの標準タイプから20mmローダウンしたエアロモデルの設定は、テリオスキッドの存在感をさらに際立たせた。

 また、オフローダーではないが、ホンダが新ジャンル軽の創造に挑戦した2代目Zという変わり種も、同じタイミングで登場した。ワゴン風の3ドアボディは、これも余裕の最低地上高を確保。ただ、室内の地上高が高いのは、凝りに凝ったアンダーフロアミッドシップレイアウトのためだ。

 3気筒SOHCのターボ&NAエンジンを何と後席床下に縦置きし、前後輪の回転差に応じて前輪も駆動するビスカス4WDを採用。狙いはフロントエンジンの軽では困難な、運動性能と室内空間の高度な両立にあった。ボディの全高を高くとっても重心は低く抑えられ、前後重量バランスは理想的な50:50を実現。室内長は軽トップレベルで、多彩なシートアレンジも軽オフローダーのライバルにはない強みだった。

 しかし、実際の使い勝手は5ドアの軽ハイトワゴンに及ばず。極めて独創的な半面、いったいどんなクルマなのかユーザーにわかりにくく、販売は当初から不振が続いた。そして、他車と共用の利かないプラットフォームの特殊性もあり、ホンダZは02年に姿を消すことになった。

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最終更新:4/10(水) 1:00
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