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多国籍社員まとめるイクボスの悩み 解決法を模索中

4/9(火) 12:00配信

日経DUAL

早くから女性活躍推進に取り組み、2015年には女性管理職(部長代理以上)の比率3割を達成した、総合広告代理店「DACグループ」。同社の両立施策について、前・後編に分けてお届けする。前編では、同グループ内の事業会社「グローバル・デイリー」の代表取締役社長を務め、多国籍社員をマネジメントするイクボス共働きパパに登場していただく。以前は育児・家事にほとんど関わってこなかったパパが“意識改革”したきっかけとは? また、多国籍な社員をまとめるために工夫していることとは?

【関連画像】グローバル・デイリー代表取締役社長を務める中原宏尚さん

●第一子誕生後は「やらされ感いっぱい」で育児・家事をしていた

 「第一子の誕生後5年間は、育児や家事をすることはあっても『お手伝い』『協力する』というレベルで、やらされ感いっぱいでした」

 そう振り返るのは、DACグループの中原宏尚さん。中原さんは、グループ内の「デイリー・インフォメーション」に在籍中、社内起業的にインバウンド事業を立ち上げ、現在はグループ内事業会社「グローバル・デイリー」の代表取締役社長を務めている。インバウンド事業立ち上げと、第一子の誕生はほぼ同じ時期で、育児・家事にはほとんど関わってこなかった。

 中原さんの妻も同じDACグループの社員。夫に頼らず仕事と育児を両立するため、実家から徒歩圏内に引っ越しし、実家の両親の助けを借りてなんとか乗り切ったという。

 そんな中原さんが、第二子誕生の翌年から、家事・育児を「分担」するようになった。「それまでは『協力』という考え方でしたが、『分担』に思考が変わりました」と中原さん。いったい何があったのだろう。

 「意識改革のきっかけは北欧視察でした」。同社では女性活躍推進の一環として、一部の管理職が2012年から北欧視察を行い、中原さんも2014年に参加した。

 「衝撃的だったのはデンマークでした」

 「女性の管理職がずらりと座る企業を訪問して、日本の現状を伝えたところ、『それは自分のおじいちゃんやおばあちゃんたちが言っていた内容と同じです』と指摘されたのです。それを聞いて、ハッとしました。僕らの両親の世代は、『男は外、女は家庭』という人が多かった。今の僕らの世代は、『男は外、女は家庭』という人もいれば、共働きの人もいて、両方存在している。こういうことは三世代で変わっていくサイクルなのだなと認識しました。つまり、自分の子どもの世代が北欧のような世界観を持つためには、今自分たちの世代が変わらなければいけない。そんな責任感が突如生まれました」

●「協力」という姿勢を改め、「分担」を妻に申し出た

 「視察では、月曜日はパパ、火曜日はママ、水曜日はパパのパパ、木曜日はパパのママ、金曜日はママのママ、土曜日はママのパパ、日曜日はみんな、という6人で子どもの世話をしているという家族の話も聞きました。6人で役割分担すれば、1人週1日でいい。とても合理的ですよね。男性と女性の違いは子どもを産めるか産めないかだけ、そんなカルチャーが浸透しています。女性が子どもを産むことを、仕事をする上でのハンデだと誰も思っていません。うちの会社もそんなふうにしていけたらいいなと思います」

 帰国後、中原さんは従来の「協力」という姿勢を改め、「分担」を妻に申し出た。前年には、第二子も誕生していた。ただ、仕事柄、中原さんは夜に取引先などとの会食が入るケースが多い。話し合いの結果、中原さんは「朝」を担当している。朝6時に起きて、子どもに服を着せ、顔を洗わせ、食事をさせ、歯磨きをさせ、食器を洗い、ゴミを出して、保育園へ送る。「私が朝食も作っていたときはあったのですが、妻にはいろいろ方針があって、簡単なシリアルにしようとしたら、和食を食べさせたいということだったので、朝食作りは妻に任せています」

 洗濯は妻担当だが、食器洗いはすべて中原さんの担当。帰宅するとシンクに食器が残されているので、会食後で夜遅くなっても、中原さんが洗って、台所をピカピカにしてから眠る。「台所は僕の聖地ですよ」と中原さんは笑う。

 「本当は、『夫が家事・育児をしている』ことがこんなふうに評価の対象になる世の中がおかしいですよね。もっとたくさん育児・家事をしている妻に言わせてみれば『私はこれも、これもこれもしている、はい評価して、はい褒めてください』という気持ちだと思います」

 そんな世の中を変えていくためには、夫や妻自身の意識だけでなく、親の世代の意識を変えていくことも必要だと中原さんは指摘する。「自分たちの親の世代への働きかけも必要だと思います。例えば、親世代が『なぜ夫に食器を洗わせているの』などと言ってしまうと、妻も萎縮してしまうかもしれませんよね」

 自身が家事・育児を分担するようになったことで、仕事上に何か変化はあったのだろうか。「妻と夫の両方の立場の気持ちが分かるようなったのはよかったです。30代の男性社員から『子どもを朝送ることにしましたがいいですか』と聞かれた時も、『いいもなにも、自分もやってるよ』と答えました」

●6割が外国籍社員、ダイバーシティなマネジメントが必要

 DACグループ社員の男女比率は女性が51~52%と、男性を上回る。中原さんが社長を務める、インバウンド事業会社「グローバル・デイリー」に至っては7割が女性だという。

 「旅行・観光分野ということも関係しているかもしれませんが、優秀な人材を採用していたら結果的に女性が多くなりました」と中原さん。さらに、外国籍の社員が全体の6割を占める。中原さんは、性別はもちろん国籍も含めて、あらゆる意味でダイバーシティなマネジメントを期待されている。

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最終更新:4/9(火) 12:00
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