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森本環境事務次官「環境と経済社会問題の同時解決を」

4/10(水) 17:08配信

オルタナ

「エコ・ファースト推進協議会」の2019年度通常総会が4月10日、都内で開かれた。環境大臣は環境先進企業を「エコ・ファースト企業」と認定し、同協議会は企業の連携を強化し、環境への取り組みを促進することを目的にしている。総会に出席した森本英香・環境事務次官は、環境問題と経済社会問題の「同時解決」の重要性を説き、ビジネス拡大のチャンスとして取り組んでほしいと期待した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

環境省は2008年4月、「エコ・ファースト制度」を創設した。同制度は、企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、環境保全に対する取り組みを約束し、環境大臣が環境先進企業として認定する制度だ。

2018年度に、清水建設、東洋ライス、アスクル、大和ハウス工業、八十二銀行の4社が新たに加わり、加盟企業は45社となった。

2019年度から新議長を務める戸田建設の今井雅則社長は、「環境問題の顕在化に伴い、社会からの期待が高まっている。エコ・ファースト企業として環境問題に尽力していきたい」と挨拶した。

総会終了後、森本事務次官が「世界をリードする持続可能な経営に向けて――『環境と成長の好循環』につながる技術革新とESG金融」と題した講演を行った。

そのなかで、森本事務次官は「日本はなかなか化石燃料から脱却できていないが、再生可能エネルギーを拡大するとともに、二酸化炭素回収・有効活用・貯蓄(CCUS)といった二酸化炭素の処理にも取り組み、トータルで脱炭素化を進めていきたい」と話した。

海洋プラスチック問題に関しては、プラスチック資源循環戦略(案)で、2030年までに使い捨てプラスチックを累積25%排出抑制するといったマイルストーンを描いている。

森本事務次官は「プラスチックは利便性が高く優れた素材。日本では年間1000万トンのプラスチックを生産し、年間900万トンのプラスチックを廃棄している。海に流出している量は数万~10万トンと推計され、各国に比べれば少ない。だが、それでも使い捨てのプラスチックについては見直しが必要だ。革新的プラスチック代替技術の輸出にも期待できる」との認識を示した。

さらに、「廃棄物発電、浄化槽、省エネインフラなど、環境インフラの海外展開が確立されてきた。日本の環境ビジネスの拡大とともに途上国の環境改善、気候変動対策につながる。日本としても環境省としても力を入れていきたい」と意気込む。

森本事務次官は「2050年までにCO2を80%削減するなど、求められているハードルは高い。だからこそ、環境問題と経済社会問題の『同時解決』できる仕組みが必要。環境省としても環境政策を設計する際に、ウィンウィンになるような政策をデザインしていきたい。エコ・ファースト企業の皆さんが進めている技術開発もますます重要になってくる。オープン・インダストリーの考え方で積極的に提案してほしい」と呼びかけた。

「エコ・ファースト制度」加盟企業は次のとおり。

株式会社ビックカメラ(副議長)/ユニー株式会社(副議長)/キリン株式会社(副議長)/ライオン株式会社(副議長)/株式会社LIXIL/積水ハウス株式会社(副議長)/日産自動車株式会社/株式会社滋賀銀行/NECパーソナルコンピュータ株式会社/リマテックホールディングス株式会社/三洋商事株式会社/全日本空輸株式会社(副議長)/ダイキン工業株式会社/株式会社タケエイ(副議長)/株式会社電通/東京海上日動火災保険株式会社/住友ゴム工業株式会社/株式会社資生堂/株式会社ノーリツ/日本ミシュランタイヤ株式会社/株式会社川島織物セルコン/株式会社クボタ/株式会社熊谷組/戸田建設株式会社(議長)/ニッポンレンタカーサービス株式会/ワタミ株式会社/辻・本郷税理士法人/富士通株式会社/株式会社一条工務店/株式会社エフピコ/株式会社スーパーホテル(副議長)/株式会社ブリヂストン/株式会社リクルート/大成建設株式会社(副議長)/ブラザー工業株式会社/アジア航測株式会社/SOMPOホールディングス株式会社/西松建設株式会社/日本航空株式会社/住友化学株式会社/清水建設株式会社/東洋ライス株式会社/アスクル株式会社/大和ハウス工業株式会社/株式会社八十二銀行

最終更新:4/10(水) 17:08
オルタナ

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