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銀座線の「レール幅」はなぜ新幹線と同じなのか

4/10(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

 東京の地下鉄で最も古くからあるのが東京メトロ銀座線。いつ乗っても混雑しているように感じるが、その理由として車体が小さく編成も短いことがある。

【写真】第三軌条方式の銀座線は架線がないため、トンネルの天井が低い

 現在走っている1000系は、全長が16m、全幅が2m55cmという車体で、6両編成である。一方、東京メトロ東西線の最新型車両15000系は、中間車で全長が20m(先頭車は20m52cm)、全幅が2m80cmとだいぶ大きい。銀座線・丸ノ内線と日比谷線の旧型車両を除けば、東京メトロの車両はおおむねこのサイズだ。多くの路線は編成も10両である。

 このように比べてみると、確かに銀座線はコンパクトだ。ちょっとかわいらしいとも言える。しかし、レール間の幅(軌間)は銀座線のほうが広く、新幹線と同じ1435mmである。銀座線と丸ノ内線を除く東京メトロ各線はJRと同じ1067mmである。

■「監督官庁の決定による」

 車体が小さい路線が、なぜ線路幅だけは広いのだろうか。

 東京メトロに聞くと、開業時に「いろいろな方面から検討を行いましたが、監督官庁であった鉄道省の決定により、諸外国の標準軌間でもあった1435mmとなりました」ということである。

 『東京地下鉄道史 坤』(東京地下鉄道編・1934年)によると、やはり「種々討議もあつたが當時監督官庁である鉄道省の指示もあり、所謂標準軌間4尺8寸1/2(1435mm)と決定したのである」と書かれている。

 銀座線の浅草―上野間が開業したのは1927年だ。日本の鉄道は、1872年に初の鉄道が開業して以来「狭軌」と呼ばれる1067mmの軌間で整備された。大隈重信などの方針によりこの軌間になったといわれている。かつては鉄道が貨物輸送を担っていたため、国鉄との貨車直通を考慮した私鉄もこの軌間で建設された。

 一方で、道路上に線路を設ける「軌道法」(軌道条例)を根拠法として開業した私鉄は、阪神電鉄や阪急電鉄など、ヨーロッパやアメリカなど諸外国で標準となっている1435mmの「標準軌」を採用する例も多かった。1372mmを採用していた東京市電(のちの都電)などの路面電車も合わせ、日本では複数の軌間が存在することになった。

 「日本の地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次はイギリスを視察し、日本でも今後は地下鉄が必要になることを実感した。そして「東京地下鉄道」を設立、開業にこぎつけた。東京地下鉄道は、当時の私鉄に関する法律「地方鉄道法」に基づいて開業したが、この法律では狭軌を基本としつつ、1435mm軌間も認められた。

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最終更新:4/10(水) 5:30
東洋経済オンライン

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