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発達障害の睡眠問題、実はほぼ半数が悩みを抱えている

4/11(木) 11:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

一見、怠け者とされそうな日中の眠気だが、睡眠不足と無関係で薬が効かない特殊なケースも

 子供はスヤスヤとよく眠るイメージがあるが、実は大人と同様に睡眠問題に悩まされている子供が(親が)かなり多い。日本の小学生にあたる就学児童を対象にした国内外の疫学調査でも、実に約4分の1の児童が何らかの睡眠問題を抱えていることが明らかになっている。その内訳も、夜型生活による睡眠不足や起床困難などいわゆる睡眠習慣の問題だけではなく、不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時驚愕症(夜驚)、夢中遊行(いわゆる夢遊病)など多種多様な睡眠障害がみられる。

ギャラリー:乱される現代人の睡眠

 とりわけ睡眠問題が多く見られるのは「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などの発達障害のある子供たちであり、その頻度が50%以上に跳ね上がる。これは一般児童の約2倍にあたる高頻度である。なぜ発達障害のある児童では睡眠問題が多いのか、その理由はほとんど明らかになっていない。発達障害で機能異常が疑われている神経ネットワークの一部は睡眠―覚醒の調整にも関わっている。また、抑うつや不安などの心理的ストレス、社会的コミュニケーションの不足などが、睡眠の質や量の低下、体内時計の調節不全などをもたらしているのかもしれない。しかし、これらはあくまでも推測の域を得ない。

 いずれにせよ、発達障害の子供の診療では睡眠問題に対処しなくてはならないことが多い。寝つきの悪さ(なかなか寝床に入りたがらないという症状として表れることも多い)、不規則な睡眠リズム、昼夜逆転、寝起きの悪さなどのために登校させるのに苦労しているなど、親御さんからの相談も絶えない。中でも特に手こずるのが「日中の眠気」である。

なぜ発達障害の「日中の眠気」は頑固なのか?

 例えば、ADHDでは多動や衝動性、注意欠陥などの中心的な症状については一定の効果が期待できる治療薬がある。夜間の不眠に対しても睡眠習慣の指導を行った上で、どうしても必要であれば睡眠薬や鎮静剤を用いることができる。

 ところが、彼らの「日中の眠気」はとてつもなく難敵なのである。睡眠不足による眠気であれば睡眠時間を伸ばすことで解決できる。ところが、ADHDやASDの眠気は睡眠不足とは無関係に出てくることが少なくない。むしろ、昼も夜も暇さえあれば眠って困るということがある。

 そもそもADHDの治療薬の一つであるメチルフェニデートはもともと過眠症の治療薬として用いられていた。過眠症とは夜に十分眠っても日中に強い眠気が生じる睡眠障害の一種で、代表的な疾患はナルコレプシーだが、メチルフェニデートはその特効薬なのである。つまり、病的に強い眠気も払ってくれる医療用覚醒剤の一種である。多動や注意欠陥にも効果があるため、現在はADHDの治療薬としても用いられているが、その強力な覚醒効果で日中の眠気も改善してもおかしくないはずなのに、ほとんど効果が得られないことも少なくない。

 なぜ、発達障害の眠気は頑固で、メチルフェニデートも効きにくいのだろうか? その答えのヒントがあるツイッター に載っていた。

 ツイートの主(@Q_SA_I)はASDとADHDの合併と診断されている方のようだが、年齢は分からない。ただ以前から「興味がないことをやろうとすると突然訪れる強い眠気」に悩んでいたらしく、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群など、日中に眠気がでる睡眠障害のことを調べていたがどうもしっくりこない。ところが「発達障害の一部にはそういう症状がある」と知って「目からウロコと涙が落ちて落ちて止まらなかった」と書いている。 このツイートには共感するリツイートが多数寄せられていることから、同様の悩みを持っている人が相当数いることがうかがえる。

 この方の眠気を考える上でのポイントは、ツイートの中にある「興味がないことをやろうとすると」である。通常の過眠症では眠気は持続的で、時刻やシチュエーションを問わず出現するため、日中を通じて眠気に悩まされる。ところが、発達障害の子供では(大人でも)、授業中やデスクワークなど「退屈な」場面で眠気が急速に出現することが多い。一方で、関心のあることには熱中し、眠気を忘れてしまう。同じ授業でも好きな教科では眠気を感じない。友人と会話を楽しんでいる最中にも眠ってしまう過眠症とは全く異なる。

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