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米政府機関の顔認識技術テスト、中国とロシアの企業が上位独占という現実

4/11(木) 19:11配信

WIRED.jp

2018年、中国でこんな事例があった。逃亡中の容疑者が人気歌手のコンサート会場に現れたところ、顔認識システムが本人と特定、地元警察による逮捕につながったのだ。

【写真】監視社会の奇妙なポートレイト

このとき警察を呼んだ顔認識ソフトウェアは、上海拠点のスタートアップであるYITUテック(上海依図網絡科技)が開発したものだ。すでに警察や地下鉄の駅、ATMなどで導入されており、米国連邦政府お墨付きの技術でもある。

YITUは、米国立標準技術研究所(NIST)が実施しているテストプログラムでトップの成績を収めている。顔認識技術という急成長中の分野において、このテストは極めて重要だ。

米国のテスト上位6社は中国とロシアの企業

直近のテストに参加した企業は60社以上。上位を占めるのはロシアと中国の企業が圧倒的に多い。どちらも政府が顔認識技術の開発を強気で進めており、プライヴァシーへの危機意識が比較的弱い国だ。

「NISTのベンチマークは業界標準とみなされていて、ユーザーが導入や購入を決める際の重要な判断材料になっています」と、YITUのリサーチサイエンティストで、シリコンヴァレーの同社拠点を代表するウー・シュアン(呉双)は語る。「テストでの評価に関する質問を国内外の顧客から受けます」

NISTの主な試験は2種類あるが、YITUは現在その片方で1位にランクされている。これは2枚の写真に写った顔が同じものかどうかをアルゴリズムに識別させるテストだ。パスポート確認や建物への入館許可、コンピューターシステムへのアクセス権限を管理するシステムにとっては核となる技術である。

YITUに続く高評価がついた5社には、ロシアと中国の企業が並ぶ。2018年6月、米国国務省はパスポート申請書の審査に使用するため、パリに本拠地を置くアイデミア(Idemia)のソフトウェアを採用した。その際、同省は管理する3億6,000万人の顔を判別するテクノロジーとして「ロシアと中国以外の最も精度の高いソフト」を選んだ、とコメントしている。

続く数ラウンドのテストで、米国生まれのスタートアップであるエヴァーAI(Ever AI)が7位にランクインした。ロシアと中国以外の企業では最上位だ。

同社の最高経営責任者(CEO)ダグ・アレイは、「NISTの評価結果が発表されて以来、新規顧客が途切れずに入ってきています」と話す。政府機関も関心を示しているという。

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最終更新:4/11(木) 19:11
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