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富士通などのSIerの惨状を見ていると、太平洋戦争で負けた大日本帝国を思い出す

4/11(木) 6:00配信

文春オンライン

技術的に海外勢に対抗できない今、すべきこと

 これら通信事業者方面の問題点だけでなく、日本の通信全般やシステム開発関連といった日本の情報化にまつわる大企業に共通した病理にも見えます。富士通やNEC、あるいはNTTグループやKDDIなど単に日本の民間企業がアカンという話だけではなく、『昭和16年夏の敗戦』や『失敗の本質』が指し示すように「組織の風通し」や「資源の調達に見合った作戦立案」、そして何より「組織の明確な目的」が必要で、それらが揃ってはじめて「単年度や中期の事業目標」が策定できるわけです。

 いまや、富士通やNEC単体では技術的に海外勢に対抗することはできず、むしろ技術分野においては過小資本で、事業目的をしっかりと立てて外部資金を大きく導入し、事業と利益とお客様のニーズに資する事業再編や投資を行っていかなければならない局面にあるわけです。

 何といっても、中国ファーウェイは何かと叩かれますが、大学を出て勤務経験10年にも満たない人材がアジア全体の技術戦略を検討するポストに抜擢され、30代そこそこでも決済権限を与えられて1四半期あたり1件10億ドル(1,000億円)の予算を持ち技術投資が行われている時代です。機動的に高い技術力を確保するための作戦を実施するには、優れた人材がまだ若く感度の高いうちに大口の投資を自らの判断でバンバンやっていける環境が本当は必要なのかもしれません。

 もちろんこういう実例は一面においてはバブルの様相を呈しているので、一様に賛美するのはどうかとも思います。ただし、風通しや現場に決裁権限を与えるという面では見習うべき部分は大きいとも感じるんですよ。かたや日本企業では100万円の経費でも稟議の対象となり、開発者1人当たりたかだか月間50万円程度のコストのシンクライアントのVDI(仮想デスクトップ)の導入に3年もの年月がかかる日本企業が組織の意志決定や開発環境の整備で先んじられるはずもないのです。

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最終更新:4/12(金) 15:15
文春オンライン

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