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人間の「8つの知能」を知っていますか?本文中の8項目で自分に当てはまるものに「〇」をつけてください。1つでも「〇」なら「頭が良い」!

4/12(金) 8:39配信

教員養成セミナー

「頭が良い」とは?―知能の多重理論

 みなさんは学校で学んだ教科の中でどれが得意でしたか。すべてが得意というスーパーマンのような方もいるかもしれませんが、多くの方は得意な教科と不得意な教科があったのではないでしょうか。ちなみに私の場合、不得意な教科はたくさんありましたが、社会とりわけ地理は得意でした。そのためか方向感覚は充分あり、道を間違うことはまずありません。頭の中に地図が広がりますし、太陽の位置などで方角も即座に分かります。方向音痴と言われる人からすると、なぜ道を間違えないのか分からない、なぜ知らない土地で方角が分かるのか、信じられないようです。逆に私からすると、なぜ方向音痴になるのかが分かりません。

 でも、方向感覚があることで「すごいね」と言われたことはあっても、「頭が良いね」と言われたことはありません。体育が非常に得意で、難しい技をすぐに体得してしまう人も、「何ですぐにできるの」とは言われても、「頭が良いね」とは言われないのではないでしょうか。なぜなら、多くの方が思い描く頭の良さは、勉強、それも主に国語、英語、数学といった教科ができることだからです。実際に、頭の良さを示す指標の一つである知能の高さを調べる知能検査も、国語や数学を基礎とした問題がほとんどで、体育や音楽の問題はまったくありません。そのため体育や音楽が素晴らしくできても、頭が良い人とは思われにくいのです。


■「知能」はさまざま
 このような知能をめぐる状況に対して、アメリカのガードナーという心理学者が多重知能理論を唱えました。知能はもっと多様な存在で、言語的知能、論理―数学的知能、空間的知能、身体運動的知能、音楽的知能、対人的知能、個人的知能、そして博物的知能の8つがあるという理論です。

 言語的知能とは、卓越した文章を書いたり人前で話をしたりするのが得意な人が持っている資質です。小説家や落語家などはその典型です。論理―数学的知能は、物事を論理的に考えたり、数的な処理と理解などが得意な科学者タイプの能力です。空間的知能が高い人とは、方向感覚に長けている人。対象を三次元的に捉えられる彫刻家などが含まれます。身体運動的知能は、まさにオリンピック選手のようにスポーツが得意であったり、ダンスや踊りが上手な人が持っている資質です。脳外科手術などメスの細かな動作が求められる外科医にも求められる能力だと言えます。音楽的知能は、歌や楽器演奏が得意な人が持っています。対人的知能が高い人とは、他者にすぐに共感できるカウンセラー的な人と言えます。個人的知能は、自分のことを客観的に捉えられる人の資質です。最後の博物的知能は、スーパーで売られている魚を見てすぐに何の魚か分かったり、畑に植えてある苗を見て何の野菜かが分かったりするような能力です。


■ どの子もみんな「頭が良い」
 ガードナーが言うところの8つの知能を見ると、言語的知能と論理―数学的知能の2つについては多くの方がすぐに納得できますが、それ以外については、「知能」としていることに驚きを感じるのではないでしょうか。ましてや個人的知能を「知能」の1つの要素に想定したことは意外です。言い換えれば、自分を知るということも非常に難しいことであるということなのです。

 大学の授業でガードナーの理論について話した後、自分が持っているものに○、やや自信に欠けるものに△、持っていないものに×を付けさせます。厳しい基準にするとすべてが×になってしまいますから、「緩やかな基準で」とお願いします。そうすると8つの中でいくつか○が付くはずです。国語、英語、数学といった教科が得意な人は頭が良い。でも、そうした教科が不得意でも対人的知能が高ければ、それも「頭が良い」ことになるのです。子どもたちにも自分の得意なものが何かを考えさせ、それに自信を持ってほしいですね。みんな頭が良いのです。

著・監修 古川 聡(国立音楽大学音楽学部教授)
筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位所得満期退学。学術博士(筑波大学)。

『月刊教員養成セミナー 2019年5月号』「教育心理入門」より

最終更新:4/12(金) 8:39
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