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佐藤琢磨、ポールトゥウィンの舞台裏。 インディカー参戦10年目の進化

4/12(金) 7:20配信

webスポルティーバ

 サーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)で行なわれたインディカー・シリーズ第2戦、佐藤琢磨とグレアム・レイホールを擁するレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)のマシンに優勝を狙う力はなかった。第3戦のバーバー・モータースポーツ・パークもCOTAと同じく常設ロードコース。そこで琢磨たちは、マシンのセッティングで新たな試みを行ない、金曜日の最初のプラクティスを走った。感触はまずまずだったようだ。

【写真】佐藤琢磨は優勝争いに食い込めるか。 インディ、今季の勢力図

 しかし、金曜午後のプラクティス2で、RLLはマシンを正常進化させることができなかったばかりか、方向性を見失いかけた。その原因はソフト・コンパウンドのレッド・タイヤにあった。昨年と同一スペックが供給されるということだったが、生産から時間が経っていたためにコンパウンドが硬く変化し、想定していた性能を得られなかったのだ。

 ここでエンジニアやドライバーが混乱に陥れば、惨憺たる週末を送ることになる。しかし、RLLは適切に対応し、予選を前にしたプラクティス3では琢磨が5番時計をマークした。レイホールはコースアウトでセッションを終えたが、それはマシンの感触がよかったためにアグレッシブになりすぎたからだった。

 全チームに本来のスペックのレッド・タイヤが投入された予選。琢磨とレイホールはQ1、Q2をクリアし、揃ってファイナルに進んだ。2人とも今シーズン初のファイナルだ。

 他の4人はジェームズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、スペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バサー・サリバン)だった。

 今年のバーバー・モータースポーツ・パークの路面は、昨年のものと比べてグリップが大幅に低下しており、チーム・ペンスキーとアンドレッティ・オートスポートという、このコースを得意としてきた強豪2チームが対応し切れなかった。驚いたことに、両チームのドライバーは誰ひとりとして予選のファイナルに進むことができなかった。開幕から2戦、連続でポールポジションを獲得したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)でさえ、予選7位だった。

 予選ファイナルは、ユーズド・レッドをどれだけうまく使えるかが勝負になる。3段階ある予選だが、レッドは2セットしか供給されないからだ。ここで琢磨は、ブラックでの連続周回にトライ。しかし、その判断が正解ではなかったと気づくと、ピットに滑り込んでレッドにスイッチし、すぐさまコースに戻った。

 ウォームアップ1周の後、計測可能なのは1周だけだった。それが成功しなければ、次のラップにはレッドのグリップはもう低下していただろう。琢磨はその1周だけしかないチャンスをものにして、ポールポジションを獲得した。琢磨がトップの座から押し出したのはチームメイトのレイホールだったから、RLLがフロントローを独占することになった。

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最終更新:4/12(金) 7:20
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