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亡き夫に3000万円の借金…自宅を失わず相続放棄はできる?

4/12(金) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続発生時に対象となるのはお金や不動産といったプラスの財産だけではなく、借金や未納の税金の支払い義務などの「負の遺産」も含まれます。そんな「負債相続」に見舞われた際、対応を間違えると取り返しがつかない事態に陥ります。本連載では、司法書士法人ABC代表で司法書士の椎葉基史氏の著書、『身内が亡くなってからでは遅い 「相続放棄」が分かる本』(ポプラ社)から一部を抜粋し、さまざまな事例をもとに、「負債相続」の仕組みや解決方法、「相続放棄」の具体的な手続き等について解説します。

遺言や遺産分割の内容は債権者に対し拘束力を持たない

故人が遺言を残していない場合、法定相続人が法定相続分に従って遺産を相続することになります。もし、相続後に法定相続分とは異なる割合で財産を分けるのであれば、相続人全員で「遺産分割協議」を行ない、各相続人が受け取る財産の内容を決めることも可能です。これはプラスの資産の場合も、マイナスの資産の場合も同様です。

法定相続人とは文字どおり、法的に定められた相続人のこと。相続人の範囲や法定相続分は民法で以下の通りに決められています(国税庁ホームページより)。

(1)相続人の範囲

・死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。

第1順位 死亡した人の子供

・その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。

第2順位 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)

・父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。

・第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。

第3順位 死亡した人の兄弟姉妹

・その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。

・第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。

※なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。

(2)法定相続分

イ.配偶者と子供が相続人である場合 配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2

ロ.配偶者と直系尊属が相続人である場合 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3

ハ.配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

※なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。

法定相続人の範囲や相続分は、資産の場合(プラスの財産)も債務の場合(マイナスの財産)も同じように適用されます。もちろん、遺言がある場合は、遺言が優先されますが、負債の場合、遺言で指定された相続人に支払い能力がないと判断した場合は、債権者は法定相続人に各相続分を請求することができます。

遺言や遺産分割の内容は、相続人間においては有効ですが、債権者に対しては拘束力を持たない、ということは意外な盲点となっているので注意が必要です。

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最終更新:4/12(金) 10:00
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