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F35墜落、原因究明を阻む「日米間のブラックボックス」の実態

4/12(金) 6:01配信

現代ビジネス

 航空自衛隊が導入を始めたステルス戦闘機「F35A」が9日、青森県沖で訓練中に墜落した。同型の戦闘機の墜落は世界初だ。防衛省は操縦士の捜索を続けるとともに「フライトレコーダー(飛行記録)」の回収を図り、事故原因の調査に着手する。

 事故機の操縦士は「訓練中止」との無線通信から間もなく消息を絶っており、機体に何らかの不具合が発生した可能性がある。

 墜落したのは三菱重工業小牧南工場で組み立てられた1号機。ただし、最終検査は日本人関係者を締め出した別棟で米側だけで行われており、米政府による秘密保持の姿勢が、今後の事故原因解明の妨げとなるおそれが浮上している。

「操縦ミス」「体調不良」の可能性は低い

 F35Aは夜間の対戦闘機戦闘訓練をするため、9日午後7時ごろ4機編隊で三沢基地を離陸。30分後に同基地の東約135km付近の太平洋上に墜落した。

 操縦していた細見彰里3等空佐(41)は、三沢基地のレーダーから機影が消える直前、無線通信で「ノック・イット・オフ(訓練中止)」と伝え、間もなく消息を絶った。

 防衛省関係者は「F35Aは、AI(人工知能)を含め、最新の電子機器を搭載し、人的ミスを防ぐよう作られている。操縦士が誤った操作をしても機械が修正してくれるほどだ。操縦ミスは、あまり考えられない」と話す。

 操縦士が体調不良から「訓練中止」を求めることもあるが、その場合、墜落につながる可能性は極めて低いとみられる。

 操縦士が緊急脱出した場合に自動的に発信される緊急信号は、確認されていない。緊急脱出の暇もなく墜落した理由はどこにあるのか。

 同関係者は「個人的な見解だが、機体が突然コントロール不能になる、エンジンが爆発するなどの深刻な事態が発生したのではないか」と推測する。

 F35Aは、米空軍でも2016年に部隊配備されたばかりの最新鋭機だ。すでに300機以上が生産され、米国のほか、日本、イスラエルなどで採用されている。

 米政府は、F35Aの製造元であるロッキード・マーチン社以外の最終組立工場を日本とイタリアに置くことを認め、日本では三菱重工業小牧南工場が指定された。米国と共同生産国がつくった主翼や胴体、エンジン、電子機器が同工場に持ち込まれ、最終組立が行われている。

 ただしF35Aの場合、ライセンス料を支払って、国産部品を生産し組み立てるライセンス生産と異なり、海外から集められた部品を組み立てるにとどまる。当初はIHIで米メーカーの開発したエンジンを、三菱電機で同じく米メーカーの電子機器をつくり、小牧南工場で組み込むはずだったが、計画通りには進んでいない。

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最終更新:4/12(金) 6:01
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