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渋沢栄一が新1万円札の「顔」になる重要な意味

4/12(金) 6:00配信

東洋経済オンライン

新元号の次は、新紙幣――。5年後の2024年に新たな紙幣が登場する。新1万円札の渋沢栄一には、「ん?」という人も多いはずだ。
渋沢栄一は「日本資本主義の父」と言われ、500近い会社の設立に尽力。第一国立銀行(現:みずほフィナンシャルグループ)や東京株式取引所(現:日本取引所グループの東京証券取引所)、東京ガス、東京海上火災(現:東京海上日動火災保険)、帝国ホテル、開拓使麦酒醸造所(現:サッポロビール)など、今も歴史を積み上げている大企業も多い。まさに「偉大なベンチャーキャピタリスト」とも言えるが、その玄孫に当たるのがコモンズ投信の渋澤健会長だ。健氏に新紙幣が登場する時代的な意味などについて話を聞いた。

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■渋沢栄一が新1万円札の肖像になる「偶然と必然」

 渋沢栄一は私の高祖父、つまり「ひいひいじいさん」にあたります。私から見て4代遡ることになりますから当然、私自身は本人を直接知っているわけではありません。でも、彼が残した言葉は当時だけでなく現代、あるいは未来にも通じるものであると信じています。

 新紙幣が流通する2024年は、恐らく今以上にキャッシュレス化が進んでいるでしょう。

 新紙幣の話が決定してからは、「これからの時代に果たして紙幣は必要なのか」という意見も聞こえてきます。

 確かに、お金の役割が、モノやサービスを購入するための交換手段だけであれば、キャッシュレスでも問題ありません。しかし、ある時代の人間の肖像をお札に載せるのは、そこに何かメッセージ(意味)があるからだと考えます。

 では、渋沢栄一を新しい1万円札の肖像にすることに、どのようなメッセージ性があるのでしょうか。

 彼は「日本資本主義の父」と言われるように経済人でした。過去、日本の紙幣で経済人が肖像に用いられたことは、私が記憶している限り、1人もいなかったと思います。

 その生涯を通じて500社近い会社の立ち上げに関与しましたが、一大財閥をつくることはしませんでした。その時代に必要とされているモノ・サービスを社会に提供すべく、次から次へと起業していったのです。つまり、今で言うところの「シリアル・アントレプレナー」(連続起業家)です。

 それと共に、彼は会社のあるべき姿として「合本主義」(がっぽんしゅぎ)を提唱しました。つまり、一人の出資者が会社の持ち主として支配するのではなく、多くが出資者として企業の設立に参加して、事業から生じる利益を分け合うという考え方です。また、民間企業である以上、利潤の追求は当然ですが、私益のみを追求するのではなく、社会の発展を実現するために必要な人材と資本を合わせて、事業を推進するという考え方です。

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最終更新:4/12(金) 23:34
東洋経済オンライン

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