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糖尿病治療薬とアルコール

4/13(土) 8:34配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

患者さんのお薬に対する疑問に答えます お薬Q&A【6】糖尿病治療薬とアルコール

Q:糖尿病治療薬を飲んで、アルコールを飲むとどうなりますか?

A:糖尿病治療薬で治療している人が、アルコールを飲むと低血糖が起こりやすくなります。

一般的に、薬やアルコールは体内に入ると肝臓で分解されます(このことを専門用語で代謝といいます)。糖尿病治療薬で治療している人がアルコールを飲むと、アルコール代謝が優先され、薬が体内に通常より長く残ることとなります。そのため、体内で糖尿病治療薬の血糖値を下げる作用が強くなり、低血糖などの副作用が起こりやすくなります。

また、肝臓には、血糖値を維持するために「ブドウ糖」を産生するはたらき(糖新生といいます)がありますが、アルコールを摂取すると、糖新生が低下するため、低血糖を回復しようとするはたらきもわるくなってしまいます。

特に、空腹時に何も食べずにアルコールを摂取することは、大変危険な行為で重篤な低血糖昏睡(こんすい)などを起こすことがあります。

さらに、このような条件で生じた低血糖は、アルコールが体から抜けるまで持続する恐れがあります。グリベンクラミド、グリメピリド、グリクラジドなどのスルホニル尿素(SU)薬の添付文書(薬の説明書)には、アルコール摂取者への注意喚起が記載されています。

これらのことから、糖尿病治療薬で治療している人が、アルコールを摂取すると、低血糖が起こりやすく、また重篤化しやすいので注意が必要です。

先に述べたように、糖新生とは肝臓で「乳酸」から「ブドウ糖」を作るはたらきのことですが、メトホルミン(ビグアナイド薬)といわれる薬は、この糖新生を抑えるはたらきがあります。そのため、大量のアルコールを摂取すると、糖新生を抑えるはたらきが重なり、「乳酸」が体内にたまりやすくなることで乳酸アシドーシス※(ビグアナイド薬の重篤な副作用)を起こす危険性が高まることにも注意が必要です。

※乳酸アシドーシス
血液中の乳酸が異常に増えて血液が酸性になった状態で、症状には吐き気、嘔吐(おうと)などの消化器症状、呼吸が苦しい、筋肉痛などがあります。


兵庫県立尼崎総合医療センター薬剤部 部長
糖尿病療養指導士兵庫県連合会 副理事長
辻本 勉(つじもと・つとむ)

兵庫県立尼崎総合医療センター薬剤部 課長補佐
田中 雅子(たなか・まさこ)

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2018年6月号』より

最終更新:4/13(土) 8:34
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