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Apple のハリウッド進出、道のりは「前途多難」か?:「彼らは新しいフレネミー(友を装う敵)」

4/13(土) 8:15配信

DIGIDAY[日本版]

ライバルはNetflixではなくAmazon

Appleのオリジナル番組制作予算と最高の人材を起用した番組づくりは、Netflixの真のライバルにふさわしいものだが、Appleの野望はむしろAmazonの方向性に近い。Amazonがオリジナル番組を制作しているのは、Amazonプライムに登録する人やオンラインショッピングする人を増やすためだ。Appleも動画を利用し、製品やサービスの利用者を増やそうとしている。

インフォメーション(The Information)によれば、AppleはApple TVアプリでオリジナル番組とともにAmazon Prime Videoチャンネル(Channels)そっくりのサービスを提供する予定で、パートナーにはショウタイム、スターズ(Starz)など15のテレビチャンネルが名を連ねるという。複数の情報筋によれば、Appleは2018年にテレビチャンネルへの接触を開始し、3月25日のイベントまでに契約をまとめようと急いでいたそうだ。

この件に詳しい複数の情報筋によれば、Appleの取り分はサブスクリプション収益の約30%だという。Amazonはサブスクリプション収益の30~50%を受け取っているため、AppleにはAmazonの条件にうんざりしているテレビチャンネルを取り込むチャンスがある。ただし、iTunesでは、初年度30%の手数料が参入の妨げになった過去がある。また、少なくともiTunesではいまだに、AppleやAmazonのチャンネル登録サービスのようなエコシステムではなく、チャンネル独自のアプリで登録、利用されている。

AmazonとApple両方での展開を予定しているケーブルネットワークの幹部は「彼らは新しいフレネミーだ」と話す。「サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド(SVOD)コンテンツの有機的成長が、同時に自社製品の妨げになる」。

しかも、Amazon Prime Videoチャンネルはすでに大成功を収めている。BMO Capital Markets(BMOキャピタル・マーケッツ)の予測では、2019年の収益は26億ドル(約2877億円)に達する見込みだ。BMOのレポートによれば、Amazonは2019年、チャンネル所有者に18億ドル(約1990億円)を支払う予定だという。「HBO NOW」は現在、登録者の35%をAmazon経由で獲得している。

1月には、ロクもAmazon Prime Videoチャンネルと同等のサービスを開始。ショウタイム、スターズ、エピックス(Epix)などのチャンネルに登録できる。

パークス・アソシエイツ(Parks Associates)が2018年5月に公開したレポートによれば、米国ではApple TVよりAmazonとロクの方が売れているという。米国の市場シェアはロクが37%、Amazon Fire TVが25%、Apple TVは15%だった。Apple TVにはFire TV Stickのような廉価版が存在しない。

前述のケーブルネットワーク幹部は「Fire TVに比べると、Appleの消費量はごくわずかだ」と話す。「彼らは間違いなく、12~20時間分の素晴らしいコンテンツをつくるだろう。しかし、人々が主な消費の場として夜な夜な訪れるようなエコシステムをつくることができるだろうか? そのためには巨額の投資が必要だ」。

もしかしたら世界中の金をかき集める必要があるかもしれない。

Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)

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最終更新:4/13(土) 8:15
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