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今やタクシーでも見かけない! かつて隆盛をほこったコラムシフトが姿を消した理由

4/13(土) 18:01配信

WEB CARTOP

昔はマニュアルタイプのコラムシフトも多く存在した

 コラムシフトという言葉をご存じでしょうか。ステアリングコラムからシフトレバーが生えているレイアウトのことで、対義語となるのはフロアシフト(床からシフトレバーが生えていること)になります。1960年代くらいまではコラムシフトがスタンダードで、とくにアメリカ車では多く見られました。日本でも、タクシー用のコラムシフトは割合に最近まで見かけることがあったのではないでしょうか。とはいえ、コラムシフトは少数派です。どうして減ってしまったのでしょうか。

新型メルセデス・ベンツAクラスはコラムシフトレバーを採用

 コラムシフトのメリットは運転時において手の移動距離を少なくできる点にあります。マニュアルトランスミッションではシフトチェンジのたびに左手(右ハンドル車の場合)をステアリングからシフトノブに持ちかえる必要がありますが、コラムシフトはステアリングの奥にシフトノブがありますから非常にスムースにできます。

 ただし、シフト操作時に肩が浮き気味になってしまうなどドライビングポジション的にはデメリットにもなります。ただし、オートマチックトランスミッションでは、それほど頻繁にシフト操作をしませんから、そのデメリットはさほど気になりません。

 また、フロントシートを左右つなげたベンチシートでは物理的にコラムシフトを置く場所が確保できないのでコラムシフトを採用することになります。かつてのアメリカ車や、1990年代にベンチシートが軽自動車に流行したときにコラムシフトを採用するモデルが多かったのは、ベンチシートとコラムシフトがほぼセットだったからといえそうです。現在のトレンドではフロアシフトの位置にインフォテイメントシステムのコントローラーが置かれるなど、コクピットにおける各種デバイスのプライオリティが変わってきています。

今ではウインカーのようなコンパクトなコラムシフトも登場

 そのためコラムシフトの復権があってもおかしくありませんが、いまはコラムではなく、インパネにシフトレバーをレイアウトするのが主流となっています。シフトポジションが視認しやすく、肩を浮かせずに操作しやすいのがインパネシフトのメリットです。コラムシフトが流行したのはシフトレバーが機械的につながっている時代でしたが、いまはバイワイヤといって単なるスイッチに置き換えられていることが増えています。シフト配置の自由度は上がり、そのためコラムにこだわる必要がなくなっているのです。

 また、旧来のコラムシフトではシフトポジションによってレバー位置が大きく変わるため、ドライバーからインパネの一部が死角になることがあります。オートマチックトランスミッションでいえば、パーキング位置ではナビ画面が見にくく、Dレンジにするとエアコン操作パネルの一部が隠れてしまうというクルマもありました。

 ただし、インパネシフトにしても使いやすい場所に置くべきかは議論になるところでしょう。実際、メルセデス・ベンツではバイワイヤにより小型化したコラムシフトを採用しています。旧来のコラムシフトにあった欠点を解消し、なおかつコクピットのスペースを有効活用する方法として、新しいコラムシフトが再評価されつつあるのかもしれません。

山本晋也

最終更新:4/13(土) 18:01
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