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富士山の入山料「任意で1000円」は絶対安すぎる

4/13(土) 5:00配信

東洋経済オンライン

右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。2018年はついに3000万人を超えたと見込まれているが、京都をはじめとする観光地へ観光客が殺到した結果、トラブルが続発している。
オーバーキャパシティーがもたらす交通や景観、住環境などの混乱を見て、京都在住の東洋文化研究者アレックス・カー氏は「その様相はかつての工業公害と同じで、もはや観光公害だ」と警鐘を鳴らす。
その危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を記した『観光亡国論』から、観光公害に苦しむ富士山の最新事情と採るべき対策について紹介する。

■京都と並ぶ「苦悩の双璧」富士山

 現在では京都のみならず、日本各地の有名観光地でオーバーキャパシティーが論議されています。中でも富士山は、京都と並び「苦悩の双璧」といえそうな観光地です。

 日本が誇る富士山は、遠くから望むと非常に美しい姿です。しかし近づけば人だらけ、ゴミだらけという惨状にさらされています。

 富士山の夏期登山者は2005年には20万人の大台に乗り、すでにこのときから混雑が問題になっていました。2008年にはそれが29万8000人に急増し、世界遺産に登録された13年には31万1000人になりました。

 多くの登山者が訪れることで、ゴミや登山道の破損、トイレの許容量オーバーなど、数々の問題が引き起こされました。山肌に「白い川」のようなものが現れて何だろうと思ったら、入山者たちが用を足した後のトイレットペーパーだった、というエピソードもあります。

 ユネスコの諮問機関もそのような状況を前に、世界遺産登録と同時に富士山の景観をどう守り、大量の登山者をどう抑制していくか、その対策をまとめた報告書の提出を求めました。

そこで富士山では、世界遺産に登録された翌年の2014年から、山梨県と静岡県が「富士山保全協力金」という名の入山料を徴収するようになりました。これはつまり「京都が「観光公害」を克服するための具体的方策」で記した「総量規制」の1つです。

 入山料は5合目以上に登る人に対して、任意で1人1000円を求めています。使い道は「環境トイレの新設・改修、救護所の拡充、5合目インフォメーションセンターの設置運営、安全誘導員の配置、富士山レンジャーの増員配置など」となっています。

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最終更新:4/13(土) 5:00
東洋経済オンライン

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