ここから本文です

約款を最後まで読んだ米女性 110万円の賞金受け取る

4/14(日) 7:30配信

Forbes JAPAN

米ジョージア州在住のドナ・アンドルーズは、ロンドン旅行を予約した後、自分の仕事に誇りを持つ高校家庭科教師なら誰もがすることをした。しっかりとした旅行保険を見つけ、保険約款を最後まで読んだのだ。そこで彼女は、細かな字で書かれた契約の注意事項をきちんと読めば「報われる」ことを学んだ。

「7ページ目の一番下に『Pays To Read(読めば報われる)』の文字を見たときの私の驚きを想像してみてください」とアンドリュー。その次の段落には、これを読んだ人は旅行保険サイト、スクエアマウス(Squaremouth)のコンテストで優勝したことになると書かれていた。

約款を最後まで読んだ最初の人物だったアンドルーズは、1万ドル(約110万円)の賞金を受け取ることとなった。

コンテストは、顧客が契約内容を全て確認するよう奨励し、旅行保険に関する世間の理解を向上するため、スクエアマウスが企画したもの。同社の推計によると、旅行保険契約者の中で契約情報を全て読む人は1%に満たない。「私たちはこれを変えようとしている」と同社のクリス・ハービー最高経営責任者(CEO)は語る。

契約条件、特に旅行保険に関しては、多くの人が自分は内容を大体理解していると考え、確認をおろそかにしている。だが理解が十分なケースはほとんどなく、不運で時に悲劇的な誤解につながっているのが現状だ。

約款の最後には驚きの言葉が

アンドルーズにとって、契約を読むことは習慣となっているという。「私はいつも契約にサインする前に、適用対象になるものとならないものをきちんと理解するため、契約を全て読んでいます」とアンドルーズ。

「ジョージア大学で消費者経済学を専攻し、物やサービスの消費者として常に賢くあるべきだということを学びました。世の中には契約書や保証書をフォルダに保存している生真面目な人がいますが、私もその一人です」

彼女は友人とのロンドン旅行を予約後、すぐに旅行保険を探し始めた。訪れたサイトの一つが、スクエアマウスの子会社ティン・レッグ(Tin Leg)だ。

同社では、1ドル余計に払うだけで本国送還の補償(旅先で亡くなったときに遺体を送還するための補償)を25万ドル(約2800万円)から倍の50万ドル(約5600万円)に増額するオプションを提供しており、アンドルーズはこのプランを気に入った。
--{契約内容を読まなかった人を襲った悲劇}--
スクエアマウスが「Pays to Read」のコンテストを始めたのは2月11日のことで、対象期間は1年間とされていた。

1年の間に契約内容を全て読む人が現れれば、その人に1万ドルの賞金を進呈すると同時に、子どもの識字率向上に取り組む慈善団体に1万ドルを寄付するもので、賞金を受け取る人が現れなかった場合でも慈善団体には1万ドルを寄付する計画だった。

同社は、1年間に規約を最後まで読む人が現れるかどうか確信が持てずにいたが、アンドルーズのような消費者がいたおかげで、コンテストは24時間も持たなかった。

契約内容を読まないとどうなるか

契約内容をきちんと読まなければ、さまざまな問題が生じ得る。以下に、私が運営する非営利消費者団体に寄せられた事例を紹介しよう。

米国のある女性は、旅行保険の契約内容を確認しないままサウスダコタ州に旅行に出かけ、旅先で夫を亡くした。彼女が購入した旅行保険は治療や医療移送を補償しておらず、旅の中断・延長時の最高補償額は846ドル(約9万円)だったため、最終的に医療費2万8333ドル(約315万円)の大半は自己負担となった。

また「どんな理由でもキャンセル可能」とされた契約を購入した女性は、文字通りどのような理由で旅行をキャンセルしても大丈夫なのだと思い込み、注意事項を読まなかった。

しかし、契約には払い戻しができる条件がいくつか設定されており、彼女のキャンセル理由はその中に含まれなかったため、旅行代金から手数料と保険料を差し引いた金額を今後使える旅行割引券として受け取った。彼女は支払請求をするまで、そのことを知らなかった。

私もつい先日、新しく契約した医療保険の内容を確認せず失敗した。健康診断を予約した後に、保険会社から健康診断は適用外との連絡を受けたのだ。

約款を読むメリット

スクエアマウスのハービーCEOによると、約款を読むべき理由は3つある。

1. 最大限の補償を受けるため

「多くの顧客はトラブルが起こるまで保険契約を読まず、自動的に補償されているものと思い込むことが分かっている」とハービー。「しかし、支払い請求が提出されても、その多くは最初から補償の対象外とされていたために却下される。これは、契約の詳細を理解していなかったことが原因であることが多い」
--{クーリングオフの利用も念頭に}--
2. 内容に不満の場合は返金してもらうため

米国の保険は多くの場合、購入後10~14日間の「フリールック期間」(クーリングオフ期間のこと)が設定されている。この間に約款を読み、満足できなければ満額払い戻しを受けることができる。

3. 保険のメリットを最大限享受するため

「ほとんどの顧客は1つか2つの補償を目的として保険を買う」とハービー。旅行保険の場合は、キャンセル時の補償や緊急時の医療補償が最も一般的な購入理由だ。

「しかし、他にもあまり知られていない補償は多く存在し、約款を読んだ人か、それについて尋ねた人だけが受け取ることができる。例えば、コンシェルジュサービスや緊急時の支援、個人情報盗難に対する補償などだ」

スクエアマウスのコンテストは、契約を全て読むことの重要性を強調するものだ。このキャンペーンにより、細かな注意事項を読む人は増えるだろうか? その可能性はある。私はハービーに、契約を読む人のためのお宝を今後も隠しておく計画があるかどうかを尋ねた。彼の回答は「さあ、どうでしょうね」だった。

Christopher Elliott

最終更新:4/14(日) 7:30
Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN
2019年9月号

株式会社アトミックスメディア

2019年9月号
7月25日(木)発売

890円(税込)

成功のヒントはフォーブスにあり!
Forbes JAPAN 無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。記事の保存や閲覧履歴チェック、プレゼントへの応募も可能に。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事