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男尊女卑をなくせば、日本の幸福度が上がる理由<モラ夫バスターな日々7>

4/14(日) 12:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 私は、離婚案件だけでなく、夫婦関係の修復案件も扱ってきた。その経験から、家庭を幸福にする最大の要素は、妻子が伸び伸びと幸せに暮らしていることにあると思う。笑顔や笑い声が家庭の幸福の象徴である。それは、男性にも当てはまる。子育てをし、子どもと向き合い、子どもと一緒に笑える男性は、幸福度も高い。

◆ 子育てを妻にだけ託すのはもったいない

 考えて欲しい。例えば、2~3歳のイヤイヤ期。自我が芽生え、自らの欲求が必ずしも叶えられず、自分の身の回りの世界の理不尽と向き合い、子どもは、泣き叫ぶ。自我と現実世界との衝突を経験しているのである。可愛いではないか。しかし、この可愛い時代は、長くても、1~2年で終わってしまう。子の日々の成長に向き合って、暮らすことを妻だけに託してしまうのは勿体ないとしか思えない。

 つまり、家庭における夫婦平等(男女平等)が確立していることが、家庭の幸福に大きく寄与するのである。これは、社会全体でもいえることだろう。

 国連の関連団体が、2019年3月20日に発表した世界幸福ランキングの上位3国は、フィンランド、デンマーク、ノルウェーである。この上位3国を含め、幸福度の高い国に共通しているのは、男女平等度が高いことである。2018年の男女平等ランキングは、フィンランド3位、デンマーク13位、ノルウェー2位である(世界経済フォーラム(WEF)のランキング)。すなわち、幸福度上位の国々は男女平等度も高い。

 さて、日本の幸福度はどうか。日本は、健康、長寿、経済力で点数を稼いでいるものの、トータルの幸福度では58位であった。G7で断トツ最下位である。そして、男女平等ランキングは110位と、最低グループの一員である。日本の男女不平等、すなわち男尊女卑が日本の幸福度を大きく引き下げていることが窺える。

◆日本のモラ夫文化は形を変えて脈々と続いている

 さて、モラ夫とは、「男尊女卑を背景として、妻に対する支配を確立、強化しようとする夫」である。すなわち、自らを家長/支配者、妻を従属者と位置付け、男尊女卑(男女不平等)を家庭内に持ち込むのがモラ夫である。

 私が子どもの頃、つまり昭和40~50年代は、夫が妻を殴ることは決して珍しくなかった。夫が、妻に対し、怒りまくり、長時間説教する等のハードモラも、日常の風景の一部であったように思う。

 平成になり、ハードモラは少なくなっていき、ソフトモラが増えてきた。しかし、ソフトモラも、猛毒であることは前回の記事のとおりである。

 つまり、ソフトモラ主体の平成のモラ夫も、ハードモラ主体の昭和のモラ夫と同様、男尊女卑の考え方を始めとするモラ文化を家庭に持込み、家庭を不幸にするのである。

◆モラ夫の言動は家庭全体を不幸にし、国を不幸にする

 夫が、家長/支配者としての地位を確立すると、モラハラを行うにつき、暴力はおろか、暴言すら不要になる。夫がため息、嘆息、独り言、しかめ面、にらみつけなどで不満を示せば、「従属者」である妻は、夫の不機嫌を察知し、うろたえる。

 例えば、帰宅すると、鍋の蓋をあけて、「はあ」とため息をつく。

 そして、「俺は、肉が食いたいんだよ…」と小声でつぶやく。家事の至らない点、例えば、部屋の隅の誇り、窓ガラスの汚れを見つけると、「はあ」とため息をつく。

 不満が強いと、「チッ」と舌打ちすることもある。妻がインフルエンザで寝こんで、頼まれた買い物から帰宅すると、妻に聞こえるように「あ~あ」と嘆く。

 妻は、ため息をつかれないよう、嘆かれないよう、徐々に夫の意向を先取りするようになる。執拗なソフトモラによって、支配従属関係は、さらに強固なものになっていく。

 さまざまな経済モラも存在する。レシートチェック、アイスクリーム禁止、トイレの回数制限(トイレットペーパーと水の節約)、1回で使用するトイレットペーバの長さの制限(1回、20センチまで!)、バスタブに入れるお湯の量の制限(水深25センチまでなど)、冷暖房の禁止、制限その他、家庭内でのモラ夫は、暴君のように振る舞う。

 容姿モラも存在する。「女を捨てたのか」「女としてみれない」などとさげすみ、「太った」と執拗に責める。体重制限を課し、日々、目の前で体重計に乗らせる、体重モラも存在する。

 このような仕打ちを受け続けると、妻は、笑いを忘れ、夫がいると、押し黙って服従するようになる。こんな家庭が幸福だろうか。

 個々の家庭、ひいては社会全体を幸福にするために必要なことは、明らかである。男女平等な社会の実現である。男女がイコールパートナーとして、社会で活躍し、家庭で家事や育児に向き合うときに、日本の幸福度が跳ね上がる。そう、私は確信している。

【大貫憲介】

弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし~モハメッド君を助けよう~』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中

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最終更新:4/14(日) 12:21
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