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がんになったらお金はどうする?頼りになるFPの働き

4/15(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

がんにかかると、治療法の選択や療養場所の悩みだけでなく、生活やお金のことも問題になってくる。病院では医療ソーシャルワーカーが、生活上の悩みの相談に乗ってくれるが、家計や経済面の問題まで踏み込んで対応してくれることは少ない。看護師でファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持つ黒田ちはる氏はこのほど、がん患者のお金の相談に乗ってきた自らの経験を基に、『がんになったら知っておきたいお金の話』(日経メディカル開発)を出版した。がんになった時に頼りになるFPの働きなどについて、同氏に聞いた。

■看護師経験を生かし、がん患者専門の家計相談事務所を開業

――黒田さんは看護師の資格を持つFP(ファイナンシャル・プランナー)とのことですが、FPの資格を取られた理由からお願いします。

黒田 もともとは病院の看護師でした。看護学校を卒業後、最初に配属されたのが外科病棟で、そこで多くのがん患者さんを担当しました。ある末期がんの患者さんを担当した時、余命が限られた中で、やりたいこと、行きたいところがあるにもかかわらず、金銭的な制約から、それができない状況を見て、看護師としてもどかしい思いを抱いたことを覚えています。

病院には医療ソーシャルワーカーがいて、様々な制度の説明や他の病院や施設、在宅への紹介などを担当していますが、患者さんの個人資産への介入は業務の中にありません。もちろん、病棟の看護師の業務にもありません。

何かいい方法はないか、もやもやとした思いを持ちながら看護師を続け、その後、一旦結婚を機に専業主婦になりました。専業主婦の期間に「お金のことを勉強しよう」と一念発起し、FP2級・AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)の資格を取りました。資格を取って気づいたのは、FPの知識があれば、お金に困っているがん患者さんを少しは助けることができたのでは、ということです。

その後、国際基準のCFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)の試験勉強中に、病院等に出向いてがん患者さんのお金の問題の相談に乗る活動を行っているNPO法人「がんと暮らしを考える会」の存在を知り、定期会にも参加するようになりました。

しばらくして再び医療現場に戻り、病院の看護師として働くようになりました。その病院では、患者さんにFPとしても相談に乗ることができたらと思っていました。しかし、やはり看護師の仕事との両立は難しいのと、勤務する病院以外の患者さんにも役に立ちたいと考え、がん患者さん専門の家計相談事務所を開業することにしたのです。

――本書を執筆したきっかけは?

黒田 2017年秋に、この書籍を担当した編集者が、「がんと暮らしを考える会」の取材に来られたのがきっかけです。私の話をお聞きになり、本にしてみないかと持ちかけられたのです。そこで、これまで経験した相談の中から、典型的なケースを9つ選び、それぞれについてお金に関連する制度と、その活用法をまとめ、1冊の本にしました。

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最終更新:4/15(月) 12:15
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