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超富裕層が実践する「シンプルに徹する」投資信託選びとは

4/15(月) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

値動きの要因がつかみやすい投資信託を選ぶ

それではR様の実際の取引例を見てみましょう。

R様が取引した投資信託の一つに「ブラックロックのUSベーシック・バリュ・オープン」がありました。米ブラックロック社が運用を行い、設定が1998年7月というロングセラー商品です。ファンドの目的は、目論見書によると「主に米国株式を投資対象として、過小評価されている株式に投資し、値上がり益及びインカム収益を追求します」とあります。その名の通り、シンプルな米国株式へのバリュー投資スタイルを取る投資信託です。

R様はこの投資信託を2011年10月に買付けました。

「リーマンショックからちょうど3年が経ち、これから米国を中心に世界経済が回復に向かうとすれば、過去を見ても米国株式の上昇なくして世界経済の回復はないだろう。そうなればシンプルに米国の大型割安株を中長期保有するのが有効だろう」と考えたのです。

そして2015年の10月ごろ、世界では中国経済の不安が話題になり、米国では9年半ぶりの利上げ開始を控えたところで市場は不安定な動きを見せました。R様はそこで一旦利益を確定。期間中の動きは図表2の網掛け部分です。

売却した判断のポイントを伺うと、「NYダウが史上最高値を更新したあと、中国を中心に世界経済の先行きに不透明感が出たことに市場が動揺したため、米国株を一旦売却してもよい水準に来たんだろうと判断ができた」とのことです。

さらに、「基準価額だけを見ていたら、単に買ったときよりずいぶん上がったということしかわからないから、売りどきかどうかの判断はそれだけだとできない」と付け加えました。

今回のポイントとしては、過去の米国株の歴史を見る限り、長期の力強い上昇トレンドが失われる事態は考えにくいとして、米国株全体の上昇の動きと為替の動きをほぼダイレクトに反映するシンプルな金融商品である点を重視し、この投資信託を選んだことです。シンプルな仕組みで価格変動要因がつかみやすいゆえ、売買のタイミングも検討しやすかったといえます。

R様はほかにも、日本株式、インドネシア国債、オーストラリア株式、J‐REITなど、投資対象を一国の同一商品のみに絞った投資信託を活用し、中長期的な視点で資産運用を行っています。このようなシンプルな投資信託であれば、一見してわかりにくい価格変動要因やリスクを不必要に負うことはありません。このような金融商品は、仕組みがシンプルな分だけ比較的コストを控えたものが多く、長期間運用されているロングセラー商品が多いのも特徴です。

R様の投資法をまとめると、次のようになります。

(1)米国株式や日本株式のように、投資対象や投資先国は一つに限定した商品を選択

(2)さらに基準価額の変動要因が対象株式と為替に分解できる、といったようにわかりやすい商品を選択

(3)取引の判断は基準価額の水準ではなく、商品の投資先の動きや価格水準を見る

(4)テーマ型投信も、投資先の対象を絞ることで基準価額の変動要因がわかりやすい商品を選ぶ

(5)インデックスと比較できるようなシンプルな仕組みの商品を選ぶ

R様のように、投資信託の価格変動の実態をできるだけ正確に把握しやすい商品を選択することが、投資信託を活用した資産防衛の第一歩になるのではないでしょうか。

山口 聰

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最終更新:4/15(月) 9:00
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