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偏食の子どもが増加…保護者は「サプリメント」に頼ってもいい? その弊害はない?

4/15(月) 6:40配信

オトナンサー

 昨年、トレンド総研が小学校教員を対象に行った「給食残しに関する調査」によると、79%の教員が「偏食の子どもが10年前と比べて増えている」と回答しました。特に、野菜嫌いの子どもが増えているそうです。保護者の中には、どのようにして子どもに野菜を食べさせるのか悩む人がいる一方、無理やり野菜を食べさせようとして余計に食べなくなることを懸念し「サプリメント」を子どもに与える人もいます。

 偏食の子どもの栄養摂取の手段として、サプリメントに頼ってもよいのでしょうか。サプリメント事情に詳しい、管理栄養士の渡辺亜里夏さんに聞きました。

Q.最近、子どもの偏食傾向が強まっている理由は。

渡辺さん「昔と比べて食事の幅が広がり、いろいろな食材が食卓に上る機会が増えました。しかし、子どものうちは、いろいろな食材への食体験に慣れていません。また、5つある味のうちの、甘味・うま味は体に必要なものとして赤ちゃんが本能的に好むのですが、塩味・酸味・苦味は体に必要がないものとして認識してしまいます。

こうした2つの事情から、大人が当たり前に食べているものでも、子どもからすれば、『体に必要ないし、安心して口にできるものかどうかが分からない、だから食べない』となり、偏食の子どもが増えているのではないかと思います」

Q.偏食で栄養が偏るため、栄養を補う目的でサプリメントを子どもに与える保護者もいます。

渡辺さん「栄養素を補う目的でサプリメントを使用するのは、『あり』だと思います。なぜなら、全ての栄養を食事から取らせるとすると、保護者の負担も大きいからです。保護者が負担を感じて食事を楽しめないならば、それが子どもに伝わり、余計に子どもにとって『食事=楽しくない』というイメージが膨らんでしまいます。

しかし、サプリメントを使用することが『あり』だとしても、品質や原材料といった部分は、大人が使用するもの以上に気を使って選ぶ必要はあります。インターネットで探す場合、『頭が良くなる』『背が伸びる』といったキャッチコピーに目を引かれがちですが、購入時に原材料の表示が確認できないものや、どんな素材が使われているのか分からないものは、控えた方がいいと思います。

もう一つの判断基準として、国内で生産されたものは、GMPマーク(good manufacturing practice=適正製造規範)を目印にするのもお勧めです。GMPは、厚生労働省の支援を受けた第三者認証制度の下で運営されており、サプリメントが安全に、一定の品質を保つよう製造工程が管理されている製品や工場が受けられるため、客観的な視点から安全性・有効性を判断できます」

Q.サプリメントで栄養が補えると、例えば、保護者は嫌いな野菜を食べさせる努力を、子どもは嫌いな野菜を食べる努力をしなくなりませんか。

渡辺さん「サプリメントが食事の中心となってしまうと、そのような努力をしなくなってしまう保護者や子どもはいると思います。サプリメントは、あくまでも補助的な役割であるということを言いたいのですが、一方で、長期間にわたりサプリメントを使用することがNGというわけではないと思います。実際に、そういう話も耳にします」

Q.子どもが長期間、サプリメントを摂取することで何か弊害はありますか。

渡辺さん「偏ったサプリメントの使用は、逆に栄養バランスを崩してしまったり、体に負担をかけてしまったりすることがあります。日本のサプリメントは、『特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品』と定義されていて、ある特定の栄養素しか含まれていません。人間には、炭水化物・たんぱく質・脂質の3大栄養素と、45~50種類の栄養素が体を作るために必要だとされていますが、一般的なサプリメントからこれら全てを補うことは難しいです。

また、食生活の面では、食事の栄養以外の役割である『楽しさ』を感じる機会や、食文化を伝えるといった部分が少なくなってしまうのが弊害かもしれません」

Q.サプリメントの摂取と並行して、保護者が偏食を改善するためにすべきことは何ですか。

渡辺さん「まずは、子どもの食体験を増やすようなサポートをしてあげられるといいでしょう。子どもが苦手なものを周囲の人が『おいしいね』と言いながら食べて、自分から食べてみようかなと思わせることが大切です。

また、食感を変えたり、手づかみで食べられるようにしたりと、調理の工夫を取り入れるのもお勧めです。例えば、カボチャやサツマイモなどのホクホクしたものには、牛乳を加えて滑らかなポタージュ状にしてみる、ご飯をお茶碗で食べるのではなくボール状のおにぎりにしてみる、野菜をスティック状にしてみる、などです」

Q.食事の内容以外で、子どもの偏食を改善する方法があれば教えてください。

渡辺さん「食事と食事の間には、2~3時間空けて適度な空腹感を作る、テレビや他に気が散ってしまいそうなものを食卓に置かないなど、時間や空間の工夫をできることから取り入れてみると、保護者も無理なく進めていけるのではないでしょうか。食べてくれないことに意識が向いてしまうと思いますが、食べたら褒める、ということを意識しながら、子どもの味覚の成長を見守っていきましょう」

オトナンサー編集部

最終更新:4/15(月) 6:40
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