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ロマチェンコはどこへ行く!? 強すぎる王者の宿命、同階級のライバル不在が浮き彫りに

4/15(月) 11:20配信

THE ANSWER

クロラに衝撃的なKO勝利、今後の展望は?

 久々に“ボクシング界の最高傑作”らしいパフォーマンスだった。

 4月12日、ロサンジェルスのステイプルスセンターで行われたWBA、WBO世界ライト級タイトル戦で、王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)がWBA指名挑戦者のアンソニー・クロラ(英国)に4回TKO勝ち。WBA王座は2度目、WBO王座は初防衛に成功し、戦績を13勝(10KO)1敗に伸ばした。

【動画】元王者クロラが卒倒! この強さは誰が止められるのか…ロマチェンコが演じた“衝撃の4回TKO”の実際の瞬間

「ロサンジェルスの観衆は素晴らしかった。ずっとステイプルスセンターで戦いたかったんだ。今回は自分の予想も上回る盛り上がりだった」

 試合後のリング上でロマチェンコはそう述べたが、これだけ完璧なKO劇を見せればカリフォルニアのファンが湧き上がるのは当然だっただろう。

 第1ラウンドこそ様子見に終始した王者だったが、2回には細かい左と引っ掛けるような右フックで早くもペースを掴む。3回にはロープ際のコンビネーションでロープダウンを奪い、ここでほとんど勝負あり。最後は4回に切れ味鋭い右フックを相手のテンプルに打ち込むと、クロラは前のめりにダウン。直後は挑戦者のダメージが心配になるほどのフィニッシュに、1万101人のファンのどよめきはしばらく収まらなかった。

「前の試合では右肩が100%ではなかったけど、今夜が調子が良かったんだ」

 ロマチェンコ本人のそんな言葉通り、昨年5月のホルヘ・リナレス(ベネズエラ/帝拳)戦後に手術した右肩がついに完治したのは大きかったのだろう。12回判定に持ち込まれた昨年12月のホセ・ペドラザ(プエルトリコ)戦と比べ、この日の王者のパンチにキレと力感が感じられたのもそれで説明がつく。

 また、ライト級で3戦目を迎え、自身の3階級目に適応してきた部分もあったのか。理由はどうあれ、過去2戦はやや苦戦した通称“ハイテク”の圧勝劇に改めて溜飲を下げた支持者は多かったはずである。

ガルシアとの対戦を熱望も、実現の可能性は低く…

 もっとも、ここで断っておきたいが、今回のクロラ戦の内容、結果は戦前から十分に予想できたことではあった。クロラは元WBA同級王者だが、リナレスには2連敗。ハートの強さが売りのタフガイだが、パワー、スピード、スキルに目立ったものはなく、ロマチェンコが久しぶりに支配的な強さを見せるにはおあつらえ向きの相手と思われていた。そして案の定、蓋を開けてみればほとんどミスマッチ――。

 当初、ロマチェンコはIBF王者リチャード・カミー(ガーナ)と3団体統一戦を予定していたが、カミーが前戦で右拳を痛めて4月には間に合わなくなった。その代わりとして、WBAから義務付けられていたクロラとの指名戦がセットされたという経緯がある。タイトル保持のために指名戦が必要になるのは仕方ないが、この日まで34勝(13KO)6敗3分と平凡な成績のクロラよりも一段上の相手とのファイトが見たかったという声は盛んに出ていた。超人ロマチェンコも31歳を迎え、ピークに近い状態で戦える時間は無限ではないことを考えればなおさらだ。

 クロラへのKOパンチで右拳を痛めたとされるロマチェンコだが、大事に至らなければすぐにでも次の相手を模索するのだろう。そこで気になるのは、クロラを難なく片付けた後も、ライト級にはビッグファイトを提供できるだけのダンスパートナーが限られていることだ。

「マイキー・ガルシア(米国)と戦いたい。ただ、(実現するかは)わからない。可能な限りライト級に残り、すべての世界タイトルを統一したい」

 ロマチェンコは今戦の前後に盛んにWBC王者ガルシアの名前を挙げ、ライト級スーパーファイトの機運を煽ろうとしていた。実際に3月にウェルター級に挑戦してエロール・スペンス・ジュニア(米国)に初黒星を喫したとはいえ、ライト級に戻ったガルシアがロマチェンコと戦えば確かに予想の難しい一戦にはなる。

 しかし、一旦ウェルター級に上げたガルシアが再びライト級に下げてくることは考え難く、プロモーター、テレビ局の違いによる交渉の難しさもある。現実的にガルシア戦が実現する可能性はかなり低いはずだ。だとすれば、今後のターゲットは故障が癒えたIBF王者カミーとの3団体統一戦、あるいはガルシアが返上後のWBC王座決定戦に登場しそうなルーク・キャンベル(英国)との対戦か。

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最終更新:4/15(月) 13:44
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