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【MLB】自分の感覚よりもデータ。マエケンがチェンジアップに自信を持った理由

4/16(火) 16:03配信

週刊ベースボールONLINE

 MLB移籍後、最初の3 シーズン、前田健太は右打者の被打率.212に対し、左打者は.261と苦手にしていた。それが今季は逆に左打者を圧倒しそうな気配だ。3月30日のダイヤモンドバックス戦、相手は左打者を6人並べてきたが、7回途中まで対左は16打数3安打で被打率.188、対右は.286。こうなっているのはチェンジアップのおかげである。

 この日、左打者に36球。29球の真っすぐより多かった。TV解説者のオレル・ハーシュハイザーは「真っすぐより多いなんて、ケンタにとって、真っすぐがチェンジアップのようなものかな」と笑いながら説明した。

 春のキャンプ中、前田はこう説明した。「左への苦手意識が消えた。チェンジアップのおかげで、右、左関係なく、勝負の前から不利なメンタルになることはなくなった」と。

 スプリットのように鋭く落ちる、新しい決め球を初めて実戦で使ったのは1年前。もっとも、当初は自信が持てず使用に消極的だった。それを変えたのは球団の提示したデータだった。

「春先、あまり手応えはなかったんですけど、落ちている幅とか、被打率がすごく良いから、もっと自信を持って投げていいよと」

 調べると、最初のころダイヤモンドバックスのデビッド・ペラルタ、レッズのホセ・ペラザらに打球速度100マイル前後の痛烈なヒットを許している。「投げ始めたときに、一本完ぺきに打たれたら、(感覚的に)ああダメだと思ってしまう。打ちやすいんだなと。でも何十打席、何百打席投げて(データ上)打たれてないよとか、スライダーより左打者には有効だとか、いろいろ出されると、そんなに良いんだな、と思える。僕のチェンジアップより上だと思っていたピッチャーの球よりデータが良かったら、あれよりも上なんだなとか」と前田。

 データを信じ、この球種を多く投げ出すと、結果も後に続いた。特に印象の残ったのは7月、エンゼルス戦でマイク・トラウトや大谷翔平のバットに空を切らせたシーンだ。スタットキャストのデータによると、昨季のチェンジアップの空振り率は47.6パーセントでスライダーの44パーセントよりも上、被打率.135でスライダーの.216よりも上。ちなみにダイヤモンドバックス戦、真っすぐの打球速度は96.6マイルと強く打たれたが、チェンジアップは84.6マイルと弱い当たりばかりだった。

 メジャーは、日本よりも対戦する打者が多いだけにデータが重要になると前田。「日本では自分の感覚を信じて、このボールがこの打者に有効だと思えば投げていました。しかしこっちは選手がどんどん入れ替わるし、新しい選手が出てくるとデータを信じるしかない。データって間違いはないんです。このボールが打ててないと、実際はそこがめっちゃ得意だったというバッターはいなかった。苦手な率の悪いコースがあればそこにきっちり投げる。ウソの率はないので」と言う。

 スポーツ・イラストレイテッド誌によるとドジャースはこういったリサーチに人件費も含め、30球団トップの年間2000万ドルをかけているという。今後も前田のピッチングをバックアップしていく。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images

週刊ベースボール

最終更新:4/17(水) 11:12
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