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身長170センチは偏差値50!? ざっくりわかる「偏差値と正規分布」

4/16(火) 12:04配信

PHP Online 衆知(THE21)

世の中すべては「正規分布」で語ることができる?

ここまでくれば、なぜ受験で偏差値が重要だったかがわかるでしょう。
受験はあくまで、他の受験者との競争です。自分がいかに高い点数を取っても、他の人がそれ以上の点数を取れば合格できませんし、逆に半分くらいしか正解できなくても、他の人がそれ以下なら受かります。重要なのは点数ではなく、「全体の中で何番目なのか」。それを示す数値が偏差値なのです。
さて、先ほど「正規分布では便宜的にこういう仮定をする」と書きましたが、実際には世の中の事象の多くは、この標準偏差に近い数字になるものです。身長に関しても、182センチ以上の人は計算上2%強。100人に2~3人といったところで、これは感覚的にも納得感があるのではないでしょうか。
実際、身長や体重、株価の上下、自然現象の発生度などの多くは、このように分布します。大げさに言ってしまえば、宇宙の事象は正規分布になるように作られているのです。

組織の「声の大きい人」に動じないために

ここで、冒頭の問題に戻りましょう。「みんな」とは何を指すのか。そして、どうすれば極端な意見を持つ抵抗勢力を排除して、改革を進めることができるのか。
正規分布の考え方から「みんなとは誰のことか」について言えば、真ん中の68%の人が同じ意見を持っていれば、これは間違いなく「みんな」と言えるでしょう。
極端な2%の人の意見はもちろん「みんな」とは言えません。さらに、それに続く16%の人の意見も、「みんな」と言うには無理があるでしょう。
ちなみに、社内で何か新しいことを始める場合、最初は「中立が68%、支持が16%、反対が16%」くらいになることが多いのです。さらに、その中に極端な支持と不支持がそれぞれ2%ずつ。
どうでしょう。実際に、組織内での意見分布はこんな感じであることが多い印象を受けませんか。

「2%は必ず反対意見が出る」と考えておけば、心の準備ができる

本当にそうかどうかはともかく、そう仮定することで、いろいろなメリットがあります。
一部の声の大きな人の極端な意見に対し「2%は絶対にそういう人が現れる」と考えれば、うまくスルーすることもできるでしょう。
また、大部分の人、つまり68%がなかなか意見を表明しないと知っていれば、あいまいな立場の人に対してイライラすることなく、どうすればこの人たちを動かすことができるか、考えることもできるでしょう。
一部の意見にいちいち過剰に反応していたら、人を動かすことなんてできません。正規分布や偏差値から俯瞰の視点を持つことで、冷静な判断ができるのです。
もちろん、あらゆる数字がこの正規分布のカーブを描く、というわけではありません。ただ、正規分布の考え方が多くの場合、とても説得力を持つことは事実です。
重要なのは、「わかるわけがない」と思考を止めてしまうのではなく、なんらかのヒントを元に数値化すること。正規分布の考え方もまた、その一助となるのです。

(斎藤広達著『数字で話せ』より一部抜粋・修正)

斎藤広達(経営コンサルタント)

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最終更新:4/16(火) 12:04
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