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恋愛に勝ち負けなんかない――。究極の片思い映画『愛がなんだ』原作者・角田光代インタビュー

4/16(火) 18:49配信

T JAPAN web

 角田さんの小説は、これまで何作も映像化されてきた。小泉今日子主演の『空中庭園』、井上真央と永作博美の熱演が話題を呼んだ『八日目の蝉』、宮沢りえ主演の『紙の月』……。『愛がなんだ』では、NHK連続テレビ小説『まんぷく』のタカちゃん役が記憶に新しい岸井ゆきのが28歳のテルコをみずみずしく演じている。身勝手で情けないダメ男、マモちゃんに扮するのは、モデル出身の若手注目株、成田凌。マモちゃんが恋に落ちてしまう年上の自由気ままなすみれ役に、独特の存在感を放つ個性派女優、江口のりこ。そして、恋愛映画の旗手と評される今泉力哉が監督を務めた。

「20年近く前に書いた小説なので、映画化したら古い感じがするんじゃないかと心配していましたが、ちゃんと今の映画になっていた。それに、小説はネガティブ炸裂なんですけど、映画だとその暗さがなく、不思議な明るさと解放感がある。登場人物それぞれが、すごく寂しくて寄る辺ないのに、かわいそうな寄る辺なさじゃないんですよね。うらやましくなるくらい、輝いている」

 じつはこの映画、最初に映像化のオファーがあったのは11年前。プロデューサーを務めた前原美野里さんが制作会社に入社して間もなく、小説を読んで惚れ込んだ。前原さんが一時、映画業界を離れたこともあり企画はストップしていたが、再び制作の道に戻ったとき、「1本目のプロデュース作品として、やっぱり『愛がなんだ』をやりたい」と思ったという。

 どんな質問にも気負わず、てらわず、真摯に答えてくれる角田さんは、「100やって100返ってくるのはイヤ」と思いがけないことを言う。「子どものときから人並みにいろんなことができないことのほうが普通だったので、あんまり自分に期待してないんですね。人以上にやって、人並みすれすれ。100やって、やっと30ぐらいというのが身にしみているんです」。だからこそ、いつもそのときの自分の持てる力を100%注ぎ込んで、小説と取り組んできた。「小説は、人をラクにしたりも変えたりも救ったりもしない」が持論の彼女だけれど、その作品は確実に読者の心を揺り動かす。小説『愛がなんだ』に魅せられた人々がつくった映画を観て、自作に厳しい角田さん自身も心を揺さぶられたようだ。

「20代、30代の私は、恋愛において相手をより多く好きなほうが負けだと思っていたんです。電話したほう、メールしたほう、デートも誘ったほうが負け……と、負けを数えるような恋愛の仕方をしていた。この映画を観て、当時の若かった自分に、『恋愛に勝ち負けなんかないから安心しなよ』と言ってあげたいなあと思いました」

 映画と小説、2つの『愛がなんだ』を味わい、比べてみるのも面白い。原作にはないが、角田光代描く恋愛の真髄を鮮烈な映像で表現したラストシーンに、きっと衝撃を受けるはずだから。

『愛がなんだ』

4月19日(金)より新宿テアトルほか 全国ロードショー

BY SAYAKA HOSOGAI

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最終更新:4/16(火) 18:49
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