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『刃牙』作者・板垣恵介が描く「フィジカルの天才が集まる世界」大相撲

4/16(火) 15:00配信

ゴング格闘技

『大相撲ジャーナル』の増刊号として復刊した『ゴング格闘技』。その『大相撲ジャーナル』に、漫画家・板垣恵介のインタビューが掲載されている。現在、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で好評連載中の『バキ道』にて、大相撲を描いている板垣は、大鵬の時代からの大ファンだという。板垣が語る相撲の魅力、『バキ道』に登場する相撲キャラクターとは? 『ゴング格闘技』Yahoo! ニュース配信記念インタビュー。

【写真】立ち合いで千代大龍を張る松鳳山。(C)大相撲ジャーナル

実戦で「地上最強」相撲を描くチャンスをずっと探していた

──板垣恵介さんが相撲を見るようになったのはいつ頃からでしょうか。

「柏鵬時代から見ていましたね。昭和38年というと巨人・大鵬・卵焼きの時代。大鵬関に比べて、柏戸関はちょっと落ちる印象がありましたね。今の自分の感性で当時の相撲を見たら、きっとおもしろかったと思います。剛の柏戸に柔の大鵬。きっと見応えがあるだろうな。当時は今のような感性がなかった時代でしたから。相撲はおもしろかった」

──他に格闘技はご覧になっていたのですか。

「プロレスもよく見ていました。力道山の全盛時代でしたから、デストロイヤーとの名勝負も見ていましたよ。嫌いな格闘技はありませんでしたね。プロレスや空手に夢中になっている頃は、むしろ相撲ってのんびりとした、ゆるい印象がありましたね」

──今では相撲の強さを描いていますね。

「相撲に対する知識が増えていくにつれて、本物の天才が集まる世界、フィジカルの天才が集まる世界と思うようになりました。全盛期に比べたら新弟子は集まっていませんが、それでも強い」

──そこまで力士は強いと思われますか。

「地方巡業の時、地元のアマ相撲の横綱などが序ノ口力士を相手に勝ったりして、プロが時々、恥をかかされるから、千代の富士関が相手になったという話を聞いたことがあります。地元の実力者より小さくて細い千代の富士関がやぐら投げなど派手な技を披露すると、やっぱりプロはすごいんだなあとなりますよ」

──板垣さんが漫画で相撲を取り上げようと考えたきっかけは?

「相撲はすごいんじゃないかという思いが、10年くらいかけてジワジワと沸き起こってきたんです。そして、千代の富士関が活躍するようになってきたあたりから、やはりとんでもない格闘技なのではないかと思うようになりました」

──相撲がすごいと思うようになったわけですね。

「空手界で大山倍達さんが創始された極真空手が“地上最強”と言われていた時、全日本選手権(第9回)の優勝者で、大道塾という団体を設立した東孝さんが『本当に他の競技にも負けない空手、実戦で負けない空手を作りたいが、現時点ではそうではない』といった趣旨の話をされたのです」

──地上最強の全日本王者が空手よりも強い格闘技があると言ったわけですね。

「そこで、いろいろな格闘技から10人ずつ出してきた場合、どの格闘技が一番強いのかという議論になった時、当時、東さんは大相撲がナンバー1、2番目がレスリングの130キロ超級で、その次がボクシングのヘビー級となったわけです。そうなったら空手は何番目になるのだと。師である大山倍達さんに反旗を翻すようなことを言ったわけです」

──そこまで相撲がすごいと。板垣さんも同じような考えなのですね。

「立ち合いから10秒の間に千代の富士関や白鵬関が他の格闘技の選手と戦ったら、やりたいことをやれるのではないかと思います。UFC(総合格闘技)のチャンピオンでも、打たれる覚悟をして向かってくる千代の富士関や白鵬関は止められないのでは」

──確かに、相撲の立ち合いの迫力は他の競技にはないものです。

「頭から当たってゆく。ぶつかり合った時の音はすごいです。我々がぶつかったら、放物線を描いてすっ飛びますよ。相撲を描くチャンスをずっと探していたのです」

──なるほど。

「以前、ファミレスに食事に行った時、ものすごく大きいお客さんにサインを頼まれた。前頭までいった相撲取りですと。しこ名は聞きませんでしたが。体重もやせたと言いながら、140キロあると聞いて驚きました」

──その方とはどんなお話をされたのですか。

「横綱、大関に胸を借りる機会はなかったそうですが、三役力士に稽古で胸を出してもらったら、押している気がしなかったと話していました」

──力士は引退しても大きく、力は強いのでしょうね。

「旧K-1の石井和義さんは相撲に自信があり、力士と一緒になる機会があったら、四つに組ませてもらうそうです。ある時、横綱の若乃花勝さんと会って組ませてもらったら、体がクルッと1回転して、そっと下ろされたと」

──横綱は違いますね。

「ご自身も格闘技をされている東大の松原隆一郎さんにうかがったのですが、千代の富士関の引退相撲に出席された時、体中に手の跡がいっぱいついていたそうです。現役から離れると、短期間に肉体の衰えはまず皮膚に表れるのだと話していました」

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最終更新:4/16(火) 15:00
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