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タイガー・ウッズが完全復活。オーガスタには優勝オーラが漂っていた

4/16(火) 7:20配信

webスポルティーバ

 オーガスタの18番ホールは、ハートブレイクヒル(心臓破りの上り坂)である。ティーグラウンドからグリーンの真ん中までの高低差は、なんと20mもある。成績の悪い選手にとっては、つらく、厳しい坂であり、優勝を間近にしている選手にとっては、まさに”花道”となる。

【写真】タイガー・ウッズ、復活秘話

 2019年マスターズ最終日。タイガー・ウッズ(43歳/アメリカ)は、2位のダスティン・ジョンソン(34歳/アメリカ)、ブルックス・ケプカ(28歳/アメリカ)らに2打差をつけての首位で、ここにたどり着いた。

 ファアウェーをグリーンに向かって歩んでいくウッズ。14年ぶりの優勝を目前にしている彼には、次の一打のことしか頭になかっただろう。でも、ギャラリーをはじめ、世界中のゴルフファンにとっては、まさしく感動的な上り坂のシーンとなったに違いない。

 そして、ウッズが最後のウイニングパットを決めると、大歓声がこだました。

「1995年にアマチュアとして初出場し、1997年に初優勝(その後、2001年、2002年、2005年に優勝)。そこから22年後に、またこうやって勝てるとは、感慨深い気持ちですよ。もちろん、苦労もあったからね。ほら、少し髪が薄くなっているだろ?(笑)」

 優勝会見の冒頭。ウッズは、静かに、ゆっくりと自分に話しかけるように語っていた。

 2005年以来、14年ぶり5度目のマスターズ優勝。それは、長い長い時間でもあった。

 膝や腰など、度重なる手術をこなしてきた。その間、スキャンダルにも幾度となく見舞われて、離婚や交通事故での逮捕など、プライベートでの失態も広く取り沙汰された。

「僕がマスターズの優勝に興味を持ったのは、1986年、46歳でジャック(・ニクラウス)が優勝したシーンを見たときです。当時、僕はまだ10歳の少年でしたからね。それでもその時の印象は強く、いまだに(脳裏に)焼きついています。

 彼が15番(パー5)で、第2打を4番アイアンで打ったシーンを見たとき、ショットの凄さもありましたけど、パトロン(ギャラリー)がものすごく喜んで、大歓声が沸いたんですよ。そのシーンが、僕にとっての大きなターニングポイントでした。『あっ、こうやってアイアンショットで果敢に攻めることで、みんなが喜んでくれるんだ』と」

 ウッズは、そのとき抱いた夢を実現。大活躍をして、世界中のゴルフファンを沸かすスーパースターとなった。

「あのときのジャックが46歳。今、僕が43歳……。なんだかうれしい気持ちですよ」

 あらためて、試合を振り返ろう。

 マスターズは3日目を終えた時点で、翌日のサンダーストームの予報があって、ひょっとすると「月曜日に最終日が持ち越されるのでは?」という懸念が選手や関係者の間で強まっていた。

 すると、マスターズ委員会は迅速に予定を変更。最終日は午前7時半スタート。アウト、インに分かれて、3サムでのラウンドに行なうことを決めた。

 マスターズでは、異例中の異例のことである。決勝ラウンドは2サム、ワンウェイが大原則の大会だからだ。

 そして、迎えた最終日。首位は13アンダーのフランチェスコ・モリナリ(36歳/イタリア)。2打差の11アンダーでトニー・フィナウ(29歳/アメリカ)とウッズ、3打差の10アンダーでケプカが続く。

 3人1組のラウンドとなったため、ウッズは最終組に入った。これが、ウッズにとっては、よかったかもしれない。目前の敵となる首位のモリナリがいたからだ。

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最終更新:4/16(火) 7:20
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