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【バイク界の逸話】 伝説だらけの“怪“速ライダー! 鈴木忠男

4/16(火) 18:30配信

webオートバイ

忠さんはコーナーで、アクセルを戻さない!

「あのころはモトクロスって仕事じゃないと思ってたんだよ。ボクの本業はあくまでも旋盤工で、モトクロスは『大好きな趣味』だったんだね」と言う忠さんだけど、ここでボクの大好きなエピソードを紹介しよう。
 ボクは現役時代、忠さんと組ませてもらったことは何度もあるのだけれど、その中でも忘れられないのが、ホンダが毎年行なっていた栃木県「しどき」での市販モトクロッサー試乗会だ。
 2ストマシンCR250Mで忠さんがコースに出ると、白衣を着たホンダの技術開発陣が、緩やかだが延々と登り坂となる第1コーナーのアウト側に鈴なりになる。このコーナーは全開で進入後、軽いブレーキングの後、マシンをコーナーに向かって立て直し、トラクションを重視しながら駆けあがるというものだ。
 ところが忠さんは進入から、まったくアクセルを戻さない。流れるリアタイヤをハンドルだけでコントロールしながら、ラインに乗せて行くのだ。だから、排気サウンドはカン高いまま、リアタイヤは砂塵を巻き上げるまま。この「忠さん劇場」にホンダの技術陣は拍手喝采! つい最近、このことを忠さんに訊いてみると「うん、あそこは一番の見せ場だからね」と、くったくなく笑った。肝心のインプレッションは、何を尋ねても「最高!」しか言わないので、担当としては苦労したものだったけれど(笑)。

語り:鈴木忠男・文:船山 理

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最終更新:4/16(火) 18:30
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