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池上さんが“阿吽の呼吸で決まった”新元号「令和」を解説

4/16(火) 6:00配信

文春オンライン

Q 新元号の出典、なぜ国書?

「令和」の典拠が、はじめて国書の万葉集となったことが話題です。これまでは中国の古典(漢籍)が典拠だったそうですが、なぜ国書に変わったのでしょうか。(50代・女性・主婦)

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A まさに阿吽の呼吸で決まったのです。

 新しい元号「令和」の評判は上々ですね。その背景には万葉集という国書が典拠になったことも影響しているようです。なぜ国書に変わったのか。答えは簡単。安倍晋三首相が、中国の古典ではなく国書にしたいと考えたからです。

 日本の元号のルーツは中国。「大化」から独自の元号を定めるようになりましたが、そもそも漢字は中国から伝来したもの。中国の古典は、いわば日本にとっての“教科書”だったのです。

 しかし、国粋主義的な傾向のある安倍首相ですから、「そろそろ国書を典拠にしていいのではないか」と思っていたのでしょう。事実、元号が決まる前に「万葉集っていいね」と周囲に語っていたという報道もあります。

 国書から、それも万葉集を典拠としたいと考えたのなら、元号の案を考えるように委嘱する専門家の中に万葉集の専門家を入れればいいこと。それが国文学者の中西進氏です。中西氏は4月12日に東京都内で開催された市民講座で、自身が考案者かどうかは明言しませんでしたが、「令と言えば善いことだ。こんなにすばらしい字はない」と話しています(朝日新聞4月13日付朝刊)。

 元号案が複数出てきたものを菅義偉官房長官の下で5つに絞られたとされていますが、当然ここにも安倍首相の意向が入ります。令和が5つの中に残ります。

 実際に「令和」に決まる過程で、「これは万葉集が典拠です」という説明が入れば、「これはいい」と考える人は多かったことでしょう。まさに阿吽の呼吸で決まったのです。

池上 彰

最終更新:4/16(火) 6:00
文春オンライン

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