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最低だけど、嫌いになれない…成田凌が魅せる、男の残酷な無意識

4/16(火) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

偶然出会ったマモルと恋に落ちて以来、テルコの生活はすべてがマモル中心。朝から晩まで電話を待ち、かかってくれば何があろうと駆けつけて、マモル以外のことは、他人も世の中も、自分さえもどうでもいいと思うほど――直木賞作家・角田光代さんの同名小説を映画化した『愛がなんだ』が描くのは、切なくもどこか狂気を帯びた片思いです。

主人公テルコに思われるマモルを、繊細な感情の機微とともに演じるのは、映画への出演が相次ぐ成田凌さん。テルコの思いを知りながら自分の都合で翻弄する“最低男”でありながら、思いを寄せる別の女性に寂しく翻弄されるその姿は、実はテルコ以上にこの映画のテーマを体現する存在と言えるかもしれません。そこに浮かび上がってくるのは、誰もが経験したことのある恋心の不条理。成田さんがマモルに感じた「無意識」の罪が、どうやらそれをよみとくキーワードといえるかもしれません。

 成田凌 1993年生まれ。埼玉県出身。男性ファッション雑誌「MEN’S NON-NO」のモデルオーディションに合格し、2013年より専属モデルに。翌2014年ドラマ「FLASH BACK」で俳優デビューを果たし、映画『飛べないコトリとメリーゴーランド』(2015)で映画初出演。大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)、「コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐3rd season」(2017)などに出演。2018年も『ニワトリ★スター』、『ここは退屈迎えに来て』、『ビブリア古書堂の事件手帖』、『スマホを落としただけなのに』など公開作多数。2019年も『チワワちゃん』、『翔んで埼玉』が公開に。さらに『さよならくちびる』、『カツベン!』などが待機する。

あなたがそんなだから、男は知らず知らずにつけあがる

「最初に脚本を読んだ時は何の違和感も覚えず、妙にすんなり読めちゃったんですよね。今度はもう少し客観的に読んでみたんです。それで思ったのは、マモルの言動について、どこまでが意識的でどこまでが無意識なのかなと。よくよく読めばマモルはいわゆる“いい人間”なわけじゃない。これは絶対に楽しいと思いました。演じるときには、悪ければ悪いほど面白いので」

まずはマモルの「悪さ」を探し理解して、演じる時にはその一切を忘れる――つまり成田さんが演じるマモルの言動は、はたから見ればひどいものでも、そこに悪意はほとんどありません。

 「僕が勝手にやってたのは、例えば並んで歩いてもいつもテルちゃんを車道側に歩かせるとか。この人モテないだろうなって思いますよね。タクシーも必ず先に捕まえて乗っちゃうし、一緒に飲んでても自分の話ばっかり、その上どこか褒められたい。自分中心で動いているから、無意識のゾーンが多いんだと思います」

もしかしたらマモルがそうなってしまうのは、テルコにも責任があるのかもしれません。例えば。物語の冒頭、風邪を引いて寝込んだマモルは、テルコを呼び出して夕食を作らせると、部屋の掃除を始めた彼女を「そろそろ帰って」と真夜中の町に放り出します。テルコの親友・葉子も「あんたがそうだから男がつけあがる!」と憤りますが、「マモちゃんは悪くない、私がやりたくてやっただけ」とまったく悪びれません。

こんなこともありました。なぜか連日電話をかけてきたマモルの部屋で、なんとなく始まった半同棲生活。二人用の土鍋を買い、マモルの下着の洗濯をして、新婚気分のテルコは、「ビール買っとけばよかった……」というマモルの何気ない呟きに、ついでなんかないのに「ついでだから」と夜中のコンビニに向かいます。

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最終更新:4/16(火) 17:12
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